霧馬山改め霧島(27=陸奥)がモンゴル出身として6人目の大関に昇進することが決まった。3回連載「新大関 霧島の心・技・体」で素顔に迫る。

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大関昇進が正式に決定した霧馬山改め霧島(27=陸奥)の強さは、太もも裏の筋肉(ハムストリングス)にあった。日本相撲協会のトレーナーとして、巡業で大勢の関取衆の体を見てきたマッサージ師の邨中一馬さん(45)が、驚きを交えて明かした。「霧馬山(霧島)関は、ハムストリングスが非常に発達している。ここが強いと踏ん張る力、さらに守ってからすぐに攻められる力につながる。今の相撲を支えているのが、この突出したハムストリングスです」と力説した。

邨中さんは16年10月から6年半、巡業に同行し、当時の横綱白鵬ら看板力士からの信頼も厚い。十両昇進後の19年から巡業に参加した霧島の第一印象は「(元横綱)日馬富士関の体に似ている」だった。邨中さんが筋肉を見るポイントは弾力性、柔軟性、筋密度の3点。「実は柔軟性はないのですが弾力性、筋密度はトップクラス。これは日馬富士関と一緒」。細身の体形も重なり、十両当時から将来性を感じていた。

遊牧民として育った霧島は、乗馬や遠方への水くみを繰り返し、筋肉をつけていた。そんな日常が影響してか、邨中さんは「疲れていても、日を追うごとに力が出る筋力も特徴。だから本場所でも後半戦の方が、いい動きをする」と説明。優勝争いが佳境となる終盤戦に強い大関が誕生する。(おわり)【高田文太】

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