幕尻の西前頭17枚目ながら、終盤戦で初の三役戦が組まれた新入幕の伯桜鵬(19=宮城野)が、堂々の白星を挙げると同時に、審判部から注意を受けた。

小結阿炎(29=錣山)と対戦したが、両者の立ち合いの呼吸が合わず、まずは伯桜鵬が突っかけ。仕切り直ししたが、再び伯桜鵬が突っかけて、館内にどよめきが起こった。今度こそ…の期待もむなしく、今度は阿炎が突っかけ。さすがに「4度目」はなく、両者の呼吸がやっと合い立ち合いが成立した。

阿炎のもろ手突きからの突き押しを、伯桜鵬が懸命にしのいでかいくぐり、懐に飛び込もうと足を運んだ。なおも回り込む阿炎を執拗(しつよう)に追い、最後は押し出しで決着。初の三役戦で白星を収め、3敗で優勝争いにも残った。

幕内後半戦の審判長を務め、打ち出し後に報道対応した浅香山親方(元大関魁皇)は、立ち合いが合わなかった両者を、打ち出し後に呼び注意したことを明かした。「どちらも悪い」とした上で、伯桜鵬について「あえて突っかけたように見えた。駆け引きがあった。(立ち合い不成立は)あっても仕方ないが行きすぎは良くない。お互いにね」と話し、さらに「十両時代から多かった。この世界、アマチュアじゃないんだから」と厳しく断じた。