大関経験者で東前頭4枚目の朝乃山(29=高砂)が、796日ぶりに結びの一番で白星を挙げた。ともに休場があって、勝ち越しに後がない大関霧島戦に勝って7勝4敗3休。新型コロナウイルスのガイドライン違反で6場所出場停止となる以前の大関時代、21年5月17日の夏場所9日目で、平幕阿武咲を破って以来の結びの一番での白星となった。霧島には、その大関時代に2連敗して以来の対戦だったが、番付が逆転した今場所で雪辱した格好となった。

これで4日間の途中休場から復帰後、3連勝となった。敗れた7日目の関脇豊昇龍戦で左腕を痛め「左上腕二頭筋部分断裂で4週間の局所安静を要する」との診断書を提出。8日目から休場し、1つでも負ければ勝ち越しの可能性がなくなる12日目から再出場し、ついに勝ち越し王手とした。

復帰する12日目の朝稽古後には「白星がついてくれば、それがいい薬になる。いい相撲を取って終わりたい」と話していた。その通りの流れを自らつくり、千秋楽に臨むことになった。