日本相撲協会は30日、大相撲夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、モンゴル出身の欧勝馬(27=鳴戸)が新入幕を果たした。

元学生横綱で幕下15枚目格付け出しからデビュー。当初は一気に幕内に出世することが期待されていたが、ケガなどもあり21年九州場所の初土俵から約2年半かかった。「十両に上がってからすぐに(幕内に)上がりたいと思っていたが、時間がかかって長かったです」。夏場所に向けては「とりあえず勝ち越すこと。10番勝ちたい。(新入幕は)1回しかないので三賞をとってみたい」と意気込んだ。

刺激を受けたのは15年春にモンゴルから同じ飛行機で来日した大関豊昇龍(24=立浪)の存在だ。柏日体高(現日体大柏)での同級生でもある。「自分も早く(幕内に)上がりたいという思いになれた。見て学ぶことも多かったです。これからたくさんとると思いますが、今まで対戦がないので当たりたい」。春場所後に「大関から『やっと当たれる。楽しみにしている』と言われた」ことも明かした。夏場所に向けた5月には豊昇龍と稽古を行う計画もある。

もう1人は日体大の後輩、大の里(23=二所ノ関)。「後輩なので、(番付が)抜かれたことも、焦って上に上がりたいと思った1つ」。数場所前から負けて幕下に陥落することを考えることから、勝ち負け考えず、思い切った相撲を心がけるように心変わりできたことも精神面の成長だ。

鳴戸親方(41=元大関琴欧洲)にとっても部屋創設から7年で初めての幕内力士誕生となった。会見に同席した師匠からも「目の前の負けや、(番付の)下を見るのではなく、上を見て頑張ってほしい。もっと先を見てほしい。普通にいけば三役にも上がれる」と大きな期待を受けた。【鎌田直秀】