幕内最年少21歳の東前頭2枚目藤ノ川(伊勢ノ海)は、3日連続の殊勲の星とはならなかった。綱とりの大関安青錦に、立ち合いで低くしゃがみ込み、下から勢いよく立ち上がって、もろ差しを狙った。「ちょっとした作戦。失敗したけど」と、取組後に自己評価したが、右は差して、前傾姿勢が持ち味の大関の上体を起こすことには成功した。さらに足技を繰り出すなど、上下に注意を引きつけて勝機を探ったが“銀星”を予感させるには至らず、最後は押し出された2勝3敗となった。

3日目に大の里、4日目に豊昇龍を破って連続金星を挙げていた。十両時代の24年九州場所以来、1年4カ月ぶり2度目の対戦で安青錦戦初白星を目指したが「相手の圧力に辛抱しきれなかった。(立ち合いは)上下に動いて中に入れなかったけど、中に入りきれなかった。やりにくいというか、純粋に強い。相手が1枚上」と、完敗を認めた。

相手の方が1学年上だが、初土俵は半年、自身の方が早い。本場所前はよく稽古してきた仲。そんな切磋琢磨(せっさたくま)してきた相手だからこそ、素直に実力を認めて称賛した。

連続金星で、3日目に手にした懸賞21本を、全て父の甲山親方(元前頭大碇)にプレゼントしたことが話題となった。前日4日目の懸賞32本の使い道について、この日の朝稽古後に語っていた。「特に決めてないっす。物欲がないんでね。あと、いつも寝てるんで(笑い)。若い衆と飲んで、メシ食って、なくなっちゃいそうっすね」と、笑っていた。

前夜は後援者、甲山親方と一緒に、串カツを食べたという。疲労もあって、前夜はビール1杯だったが、日本酒が好きで、それ以外の酒は「そんなに飲まないっすよ。普通」と言いながら、ビールなどをジョッキ10杯ほどを“普通”に飲む豪快さも魅力。目標とする三役昇進に向けても、中盤戦以降の巻き返しを目指していく。

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