SKE48惣田紗莉渚(26)が15日、東京・新橋演舞場で開幕する舞台「トリッパー遊園地」で、舞台女優としてデビューする。夢だった芝居への挑戦に挑む惣田の稽古場を訪ねた。そこには、いつも以上に生き生きとした表情の惣田がいた。惣田に今の心境を聞いた。
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-夢だった“舞台女優”が実現します
惣田 恥ずかしいし、恐れ多くてそんな風に言えないんですけど、今回は“舞台女優”という風に見てもらえるように頑張ります。
-役の衣装がセーラー服にもんぺ姿ですが
惣田 セーラー服は実際に着ていたのでムチャクチャうれしいです。何より、もんぺが似合うと言ってもらえるのが、すごくうれしい。「ちょっとあか抜けない」とファンには思われているので、今回の役にあっていたのかなと思うとすごくうれしいんです。
-キャラクターと自分で共感できるところはありますか
惣田 あります。思ったことをなかなか人に言えないんです。笑ってごまかしたりとか。普段メンバーのみんなで話している時はいっぱい話せるけど、本当に自分が思っていることはなかなか言えないタイプなんです。ハルも芸人の娘なのでみんなを楽しませたいと思っているけど、それをあまり出せなかったり、時代のせいもあるかもしれないけど、そういうところは似ているなと。
-カンパニーの雰囲気は
惣田 すごくいいです。良すぎるんじゃないかというくらいです。榎木(孝明)さんはベテランですごい方ですが、私のせりふで「こうしたら生きると思うよ」とか優しくアドバイスをしてくれます。初舞台ですがのびのびとやらせてもらえるので、本当にみなさんに感謝しています。
-主演の河合郁人さんとは初共演ですが
惣田 最初はザ・ジャニーズさんオーラがすごかったです(笑い)。でも、とても気さくなんです。笑い方が変わっていて、それを私や子どもたちがみんなでまねをすると「ちょっと違う」「うまいね!」とか言ってくれてます。私が痩せなきゃとかいいながらついお菓子とか食べていると、「また食べてる」とか突っ込んでくれて、やさしいお兄さんという感じです。
-まだ初演前ですが、今後もやってみたいですか
惣田 やってみたいです。やってみたいです。やってみたいです! でも今は、見てくださる方がまた見たいと思っていただけるようにできたらいいなと思います。でも…、どうしてもやりたい(笑い)。初めてでこんなにすてきな役もやらせていただくし、みなさんメリハリがあって、すごくいい場所にいさせていただいているので、またやりたいとう気持ちは強いです。
-究極の質問ですが、SKE48と舞台、どっちがいいですか
惣田 (即答で)舞台です(笑い)
-もちろんそれぞれの良さがあるから意地悪な質問ですが
惣田 そうですね(笑い)。でも今はこっちに専念しているので、こっちですね。
-ここで経験したことはSKE48でも生かせる
惣田 最近後輩も増えて、ありがたいことに慕ってくれる後輩もできました。それが自分の意識も変えています。後輩が見ていなくてもやらなくてはいけないのですが、でも見ているという意識がよりちゃんとしなきゃと思わせてくれるので、今回学んだことも後輩たちに伝えたいです。でも、言葉では伝えられないタイプなので、背中を見せられるようになったらいいですね。
-まさに“SKE48イズム”ですね
惣田 そう思います。絶対今回の経験がダンスとかにも生きると思うし、いろんなことに役立てていきたい。それでまた次の挑戦につなげていきたいです。
稽古の合間の休憩時間でのインタビューだった。リハーサルスタジオを縦横無尽に走り回る惣田の額には、うっすら汗が浮かんでいた。だがそれは、心地よい汗だと思う。夢に挑戦する姿には、すがすがしさを感じた。
◆トリッパー遊園地 舞台は2019年の現代と1944年太平洋戦争まっただ中の、2つの時代。観覧車がシンボルマークの山ノ内遊園地は、大道芸や手品のパフォーマンスなど昔風情が息づくが、現代とは時代の折り合いが悪く経営難に陥っていた。
廃れた遊園地の経営改革に乗り出す中、思わぬタイムトリップをすることになる主人公山ノ内マサヒロを演じるのはA.B.C-Z河合郁人(31)。物語の鍵となる1944年の遊園地で働く山ノ内ショウヘイをふぉ~ゆ~辰巳雄大(32)が演じる。
15日から東京・新橋演舞場、30日は岐阜・可児市文化創造センター、31日に愛知・豊田市民文化会館、4月3日から大阪松竹座で公演する。