NGT48本間日陽(22)が、上演中の舞台「富士見町アパートメント2022」(8日まで東京・六本木の俳優座劇場)で、ギャル役に初挑戦している。3月まで演じた舞台「サザエさん」での磯野ワカメ役とは正反対のキャラクター。

振り幅広く、役者としての本格的な道を歩み始めている。【聞き手=大友陽平】

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今回、本間が出演しているのは「富士見町アパートメント2022」の中の「海へ」。元日に自殺したある男性の部屋に集まった3人の男たちの、お通夜後の物語だ。

本間 私はそこに呼ばれたデリヘル嬢のミカ役をやらせていただいています。演出の鈴木裕美さんには、ミカは3人に全く左右されずに、芯をもって明るく生き続けてくれればいいと常々言われています。ちょっとおバカだけど、明るくて、生命力が強い女の子です。

ミカはギャルでもある。グループでの「正統派アイドル」とは正反対な役柄だ。

本間 最初台本をいただいた時は、自分とは全く違うなと思いました。普段アイドル活動をしている中で、その職業との関わりもまずないですし、台本のト書きにも「ミカという派手な女」と書いてあって、自分とはかけ離れた役どころだなって。見た目も変わりますし、せりふの中でも、ファンの方が驚いてしまうような言葉もあると思うので、新しい衝撃を与えてしまうのではないかと、そこは少しだけ不安です(笑い)。でも、これまでステージでのイメージとは、全く違う感想も持ってもらえると思います。

ギャルを演じるにあたっては、同じグループの中井りか(24)にもアドバイスを求めたという。

本間 大きいカラーコンタクトをしようと思って、りかちゃんに「どれがいいと思う? “ギャルい”の教えて!」って、めちゃ聞きました!(笑い)

今年に入ってからは、「サザエさん」に続いて2作目の舞台出演だ。アットホームでハートフルな作品とはまた違ったチャレンジをしている。

本間 今回の稽古が始まって最初に戸惑ったのは、しゃべるテンポが全く違うということです。サザエさんはアニメのキャラクターですし、しゃべる時ははっきり、ゆっくり話して、周りからたくさん反応をもらうことを心掛けていたんですけど、今回は会話劇なので、もちろん周りの人たちの反応をいただきながら、言葉をもらってから反応して返すのでは遅いので、そのテンポに苦戦しました。

演出家の鈴木氏とは、以前から縁があった。

本間 実は一昨年に、裕美さんのワークショップを受けていたんです。その時に脚本を読みながら、このせりふでこの人は気持ちが動いたとか、その人はこういう気持ちになっている…とか、読み解き方がおもしろいんです。稽古の時も、裕美さんがやりたいニュアンスがすごくおもしろくて、楽しかったです。普段の生活の中でもいろいろな人間関係があって、その人の言葉で突き動かされることもあるけど、それが本になって、会話劇で、いろいろな人の気持ちが生で動いていくのを舞台上でやるのはすごいことだなと思って、稽古中も日々おもしろがりながら過ごしていました。

アイドルとして活動を続けながら、役者として、さらにその道を進んでいく。

本間 演技を本格的にやりたいと思ったきっかけの1つは、自分と違う人生を歩めるのがいいなと思ったことでした。いろいろな役柄をやれるように頑張っていきたいので、今回もすごくいい機会です。アイドルだけどこういう作品、役柄にも挑戦するんだという意思表示というか、新しい挑戦だと思っています。この舞台を終えた時に、役者としてまた新しい経験値が一つ積めると思うので、それをいかして、もっとチャレンジできたらと思っています。

◆本間日陽(ほんま・ひなた)1999年(平11)11月10日、新潟県村上市生まれ。愛称「ひなたん」。15年8月にNGT48の1期生として加入。18年2月、シングル「春はどこから来るのか?」でセンター。AKB48シングルでも選抜4度。選抜総選挙は第8回(16年)から圏外→13→16位。初演技は、16年のドラマ「ひぐらしのなく頃に」で、18年にドラマ「マジムリ学園」、19年に舞台「仁義なき戦い~彼女(おんな)たちの死闘篇~」など出演。昨年5月に初の写真集「ずっと、会いたかった」発売。血液型B。