NGT48が先月30日、新潟県民会館で全国ツアー「未完成の未来」を完走しました。先週の藤崎未夢キャプテン(21)による振り返りに続いて、担当記者が総括します。独断で今回のツアーの「勝手に三賞+α」も選出しました。【構成=大友陽平】

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結成7年で迎えた初ツアー。9公演中5公演を取材・鑑賞した。これまでの単独ライブは姉妹グループの楽曲も交えたが、今回の初ツアーはグループの楽曲のみで構成。ライブの“色”がまだついていない中で、楽曲の世界観をうまく生かした印象を持った。

3期生も参加したが、1期、ドラフト3期、2期生の20人強が中心。48グループの中では多くない人数だが、自己紹介も映像やダンスパートを交えて行うことでスムーズに切れ目なく進んでいくから、どんどん世界観に引き込まれていく。ユニット曲もアルバム収録曲以外はあえて入れずとも、1人1人の見せ場も必ず作った。

「青春時計」「世界はどこまで青空なのか?」など、もともとテーマ性が強く、グループを象徴するような楽曲を並べつつ、「春夏秋冬」パートでは四季折々の魅力がある新潟の季節感を表現。「部活動紹介コーナー」や「ご当地メンバーチャレンジ企画」などの企画も挟みつつ、MCも少なめに抑えるなど飽きさせない構成だった。

最後に、今回のMVPは、ツアーを支え続けた「NGT48ファン」だろう。コロナ禍前からコールやペンライトに加えて「手拍子」による応援は、他の48グループに比べても大きかったが、声が出せない状況のライブでは、さらにその力を増した。

やはりライブは生もの。ステージと観客が作り出す熱狂こそが醍醐味(だいごみ)であり、ファンの手拍子がメンバーのパフォーマンスに与えた影響は少なくなかった。集客などさまざまな課題もあるが、この熱は、間違いなく未来につながるものだった。

○…3期研究生の新井りりの(18)北村優羽(18)杉本萌(17)が6日、県内2店舗の「マクドナルド」でチャリティーイベント「青いマックの日」に参加し、支援協力を呼びかけた。10月にオープンした、病気と闘う子供とその家族を支援する滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウスにいがた」のサポート活動を行っており、この日も同施設に募金を届けた。杉本は「これからもNGT48の活動をしながら、1人でも多くの方に施設のことをお伝えしていきたい」と話した。

◆殊勲賞「一番アイドルしてたで賞」中井りか(25) アイドルとしてステージパフォーマンスのクオリティーの高さは健在。あおりをはじめ、MCでのツッコミも的確で会場を温めた。何より、自身もステージが大好きなことが伝わってきた。

◆敢闘賞「ただの寸劇ではなかったで賞」小越春花(18)大塚七海(22)安藤千伽奈(21) 「春夏秋冬」パートを締めくくる「Maxとき315号」前の“早着替え時間”をつなぐ寸劇で小越は毎公演「一発ギャグ」などを披露。事前に内容を知らされていない大塚と安藤は毎回アドリブで突っ込んでいく…。数をこなすごとに精度は上がり、いつしか「名物?コーナー」に!

◆技能賞「キレキレ度も自然渋滞してたで賞」2期生「自然渋滞」 アルバム収録のダンスナンバー。曲の世界観を息の合ったキレのあるダンスで魅了した。手の動きや体の使い方も細かく、難易度も高いダンスも、公演ごとにブラッシュアップされていった。

◆特別賞「最後にしっかり決めたで賞」 奈良未遥(24) 「シャーベットピンク」の間奏で毎回チャレンジした「スイカ割り」。毎回、あと少しのところでスイカは割れなかったが、最終公演で見事スイカを真っ二つに。ツアーで一番の? どよめきも起きた。