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作品賞ー「悪人」李相日監督

李相日監督
「悪人」で作品賞を受賞した李相日監督(撮影・狩俣裕三)

【受賞発表記事】

 李相日監督(36)の「悪人」が作品賞、主演男優賞、主演女優賞の3冠を獲得した。李監督にとっては06年「フラガール」での作品賞に次ぎ2度目の受賞。「みんなに報告したら実感がわくのかな」と、控えめに喜びを表した。

 ベストセラー小説が原作とはいえ、テーマは人間の善悪で、殺人も描かれるなど、明るい話ではない。李監督は「まったくダメかそこそこか、どちらかだと思ってました」と話した。結果は20億円を見込むヒットだ。李監督がこれまで一貫して貫いてきた「人間を描きたい」という思いが、観客にも通じた。

 壁に立ち向かいハワイアンセンターを興す女性たちを描いた「フラガール」と、殺人、逃避行する男女2人が主人公の「悪人」。正反対のように見えるが、共通しているのは人間。

 李監督は「映画のやることは、人間をどう見せられるかしかない。人間の嫌な部分をいっぱい見せるのは、残ってる善意を見いだしたいから」と語った。どんでん返しを考えることもあるが、人物が衝撃的な筋書きに隠れてしまって犠牲になるのが嫌だと言う。

 人間をもっと見たい、という言葉どおり、好きなシーンを聞くと「好きというより、それぞれの役者さんのアップの表情を見ると、この瞬間にこの人を撮れて良かったと思います」と話した。【小林千穂】

[2010年12月2日 紙面から]

 ◆悪人 土木作業員の祐一(妻夫木)は恋人もおらず、祖父母の面倒を見て過ごす青年だった。一方、佐賀に住む光代(深津)は、勤務先の紳士服販売店と妹と同居するアパートを往復する退屈な日々を送っていた。出会い系サイトで出会った2人は心を通わせるようになったが、祐一は殺人を犯していた。2人の逃避行が始まる。ほか柄本明、樹木希林、岡田将生、満島ひかりら出演。

作品賞・選考経過
 「悪人」が「十三人の刺客」と争った。「現代社会の善と悪の話。設定に目配りができていて、作品に厚みがある」(秋山登氏)、「悪を描く大人向けの作品。『告白』を含め、今年の傾向を示した」(木下博通氏)など、「悪人」を推す声が続いた。「文句ない活劇。キャスティングの妙で、演出もいい」(桑田潔氏)など「十三人―」の支持もあったが、「悪人」が接戦を制した。
日刊スポーツ映画大賞
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作品賞 「悪人」
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石原裕次郎賞・石原裕次郎新人賞とは
 1987年(昭和62)に亡くなった、戦後を代表するスター石原裕次郎さんの遺志を引き継ぎ、日刊スポーツ映画大賞に併設。石原プロモーションが運営に全面協力している。その年に最もファンの支持を得て、スケールの大きな作品に贈られるのが石原裕次郎賞。裕次郎さんをほうふつとさせる将来性豊かな、映画デビュー5年以内の新人に贈られるのが、石原裕次郎新人賞。賞金は各300万円、100万円。




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