女優片山友希(24)が、光を浴びて元気だ。日本テレビ系ドラマ「探偵☆星鴨」(月曜深夜0時59分)ではヒロイン役。Hey!Say!Jump有岡大貴(30)演じる探偵の助手として、コミカルな存在感を発揮している。尾野真千子主演の映画「茜色に焼かれる」(石井裕也監督、公開中)では苦難の人生を歩む風俗嬢役で、明暗2役を演じ分ける。地元京都での下積みを経て、ブレークしつつある注目株がこのほど、その素顔を語った。

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「星鴨」で片山演じる唐戸つぐみは、有岡演じる星に軽妙にツッこむ。「これまで“オフビート”と言われることが多かったんです。もっとテンポを早く、テンションあげて、って言われて意識したら、星さんとの会話がスムーズになって楽しくなりました」。ドラマ終盤に向け「星さんとの距離(の変化)も見て欲しい」とアピールした。

テレビに憧れた小学生時代、消去法で女優の道を選んだ。「歌が下手でアイドルと歌手が消え、勉強できないんでアナウンサーが消え、うまいコメントが言えないのでタレントが消えて女優が残った」と笑う。その後はたくましく、一本道を突き進む。中2で京都の劇団の門をたたく際は「親から『ホンマに本気なのか』という試験がありました。東京の親戚の家に行った時、スカウトしてもらったら劇団に入れさせたるって。竹下通りを10周して、やっと1社。その名刺、まだお財布に入ってます」。

10代は関西で下積み。再現VTRやCS番組出演のかたわら、レジ打ち、宇治茶の店舗、接骨院受付などのバイトもした。20歳で決意の上京後、劇団モダンスイマーズの18年舞台「死ンデ、イル」主演などで評価を固めてきた。

「星鴨」の前に撮影した「茜色-」では、命の瀬戸際を歩き、一糸まとわぬ姿も見せる重厚な役を演じた。過去にオーディションで出会い、片山を評価する石井監督のもとだったが、撮影は「恐怖や不安との戦い」だったという。「石井監督が私を信じてくれたのと、尾野さんが何も言わず、ただただ(OKテイクを)待ってくれはったのが支えになりました」と感謝。精魂を込めた結果、昨年9月の撮影終了後は3カ月ほど燃え尽きた。「正直、仕事する気力がなくなってしまって…年明けの『星鴨』で、気持ちを切り替えられました」。絶妙のタイミングで、明るい役柄が舞い込んだ。

現在は気分転換もバッチリ。「原っぱでレジャーシート敷いて寝てます。ユーミンとか聞きながら。人間、光合成が必要。テンション下がったら太陽浴びるべきですよ」。目指す女優像も地に足がついている。「タクシーばかり乗ったら地下鉄に乗る人の気持ちが分からない。私生活を普通にやらないと」。京言葉がまじり、カチューシャが似合う柔らかな印象。その奥は、ひとすじの芯が通った、はんなり美人だ。【大井義明】

◆片山友希(かたやま・ゆき)1996年(平8)12月9日、京都府出身。中2で劇団ひまわりの京都の養成所に入る。尊敬する俳優は過去に共演した岩松了で「舞台は絶対見に行く」。趣味は銭湯で「熱々のお湯が好き」。特技はバレエとおなかがなること。ドラマはテレビ東京系「セトウツミ」、日本テレビ系「俺のスカートどこ行った」、フジテレビ系「恐怖新聞」、映画は「君が世界のはじまり」など。家族は両親と姉2人。165センチ。

ドラマや映画でさまざまな役に評価が光る片山友希(撮影・鈴木正人)
ドラマや映画でさまざまな役に評価が光る片山友希(撮影・鈴木正人)
ポーズを決める片山友希(撮影・鈴木正人)
ポーズを決める片山友希(撮影・鈴木正人)
日本テレビ系「探偵☆星鴨」に出演する有岡大貴(右)片山友希
日本テレビ系「探偵☆星鴨」に出演する有岡大貴(右)片山友希