新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年3月中旬から閉鎖していたロサンゼルス(LA)の映画館が15日、1年ぶりに営業を再開しました。

ロックダウンに伴い、ハリウッド映画のお膝元LAでは、丸1年間に渡って映画館が閉まったままでしたが、新規感染者数の減少やワクチン接種の普及を受け、ようやく映画館の再開が認められたのです。全米NO.1のシェア率を誇るLA郡での映画館閉鎖に伴い、この1年間は多くの新作映画が公開延期やストリーミング配信への切り替え措置を取ってきたため、ようやく再開した映画館もまだ話題の新作は公開されてはいませんが、アメリカはこれから夏に向けて1年で最も映画館が賑わう大作映画がラインアップするサマームービーの季節を迎えるので、映画ファンにとっては待ちに待った映画館再開となりそうです。

業界最大大手のAMCや3位のシネマークはすでに営業を再開しているものの、まだ一部映画館は営業を見合わせたままですが、今後のラインナップを見据えながら順次再開をしていくことになりそうです。LAの映画館がオープンしたことで、今後公開を控えている話題作もこのまま順当にいけば予定通り公開される運びとなりそうです。直近で公開を控えている話題作を紹介します。

●「ゴジラVSコング」 3月31日公開 (日本公開5月14日)

1年遅れでようやく公開される「ゴジラVSコング」は、コロナ禍の特例でアメリカでは劇場公開と同時にHBO Maxで同時配信されますが、パンデミック以降最初の大作となることから大画面で迫力を楽しむために劇場に足を運ぶ人も多いと予想されています。「ゴジラ」シリーズをハリウッドでリメイクした「GODZILLAゴジラ」シリーズと「キングコング:髑髏島の巨神」(2017年)がクロスオーバーする本作は、サプライズも用意されているようなので日本のファンの間でも5月14日の公開が待ち遠しいことでしょう。

●「ブラック・ウィドウ」 5月7日 (日本公開4月29日)

昨年5月に日米同時公開される予定だったスカーレット・ヨハンソン主演のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作「ブラック・ウィドウ」も、1年遅れでようやく公開されます。「アイアンマン2」(10年)で初登場し、「アベンジャーズ」シリーズや「キャプテン・アメリカ」シリーズなどで活躍してきたブラック・ウィドウの待望の単独映画となる本作では、ブラック・ウィドウことナターシャの過去が明かされます。日本では4月29日から先行公開されます。

●「ピーターラビット2/バーナバスの誘惑」 5月14日 (日本公開未定)

全世界でシリーズ累計発行部数2億5000万部を超える世界中で愛されるウサギが主人公の絵本「ピーターラビット」を実写化した2018年公開の「ピーターラビット」の続編。1年の公開延期を経て、待望の公開となります。

●「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」 5月28日 (日本公開未定)

昨年3月にニューヨークでワールドプレミアを行ったものの公開直前で延期が決まった「クワイエット・プレイス」(18年)の続編は、度重なる公開延期を経て満を持しての公開となります。「音を立てたら、即死」という設定が反響を呼び、全世界で3億4000万ドルの興行を記録する大ヒットとなった沈黙のホラーの続編は、劇場再開後の話題を独占するスマッシュヒットになるのか期待が持たれています。

●「クルエラ」 5月28日日米同時公開

エマ・ストーン主演でディズニーの名作アニメ「101匹わんちゃん」に登場する悪役の誕生秘話を実写化した作品。ディズニー史上最も悪名高きヴィランと言われるファッションセンス抜群の悪女の誕生秘話が描かれる本作は、パンクムーブメント全盛の1970年代のロンドンを舞台に希望に満ちた少女がダルメシアンの子犬で毛皮を作ろうとする狂気に満ち溢れたファッションデザイナーになるまでをストーンが怪演しています。【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)