5月16日から27日の日程で開催された第76回カンヌ国際映画祭は、役所広司が日本人として2人目となる最優秀男優賞、「怪物」で坂元裕二氏が脚本賞に輝くW快挙を成し遂げたことは、日本でも大きなニュースになりました。

世界3大映画祭の一つであるカンヌ国際映画祭は、最優秀賞を競うコンペティション部門の行方はもちろん、毎年、レッドカーペットを彩るセレブたちのファッションも注目を集めます。今年も多くのスターが集結したカンヌで、注目を集めたセレブのレッドカーペットルックを振り返ります。

ジェニファー・ローレンス

5月21日、カンヌ国際映画祭に登場し、手を引かれて歩くジェニファー・ローレンス（ロイター）

仏映画「Anatomie D'une Chute（原題）」で約10年ぶりにカンヌ国際映画祭のレッドカーペットに登場したジェニファー・ローレンスは、ディオールの真っ赤なエレガントなドレスを披露。美しいドレス姿で、ひときわ注目を集めたローレンスでしたが、ドレスに隠れていた足元がまさかのビーチサンダルだったことでも話題になりました。階段を下りる際にドレスの裾を持ち上げたところ、黒のビーチサンダルがチラ見え。「女性はハイヒール着用」という暗黙のルールに反する「ドレスコード違反」だと、メディアをにぎわせました。

「世界でひとつのプレイブック」で主演女優賞を受賞した2013年のアカデミー賞授賞式では、ステージに登場する際に階段でスカートの裾を踏んで転倒する災難に見舞われているだけに、「ローレンスらしい選択」との声も。

イリーナ・シェイク

5月21日、カンヌ国際映画祭に登場したイリーナ・シェイク（ロイター）

「Anatomie D'une Chute」のレッドカーペットでは、これまでも度々大胆な透け透けドレス姿を披露して話題を振りまいてきたモデルのイリーナ・シェイクも露出度の高い衣装で登場して注目を集めました。

シェイクは、黒いレザーのクロスブラトップで胸が覆われただけのトップスに、ギリギリのローライズスカートというセットアップで大胆なルックを披露。さらに、パーティーではグッチの黒いブラとショーツの上からシースルードレスを羽織っただけのほぼ裸のスタイルも披露し、下着丸見えの攻めたファッションが賛否を呼びました。

ハイディ・クルム

元祖ヴィクトリアズ・シークレットのモデル、ハイディ・クルムは、仏映画「La　Passion de Dodin Bouffant（原題）」のレッドカーペットで、両手を広げるとケープが翼のように羽ばたく鮮やかなイエローのドレスを披露。

胸が大きく開き、腰の下から大胆にスリットが入ったゴージャスなドレスでひときわ注目を集めたクルムは、カメラマンの要求に応えて何度もポーズを取る中で、胸を辛うじて隠していたドレスの一部がずれてあわや胸ポロリのハプニングが起きそうになったことも伝えられています。

スカーレット・ヨハンソン

スカーレット・ヨハンソン（17年撮影）

スカーレット・ヨハンソンは、出演するウェス・アンダーソン監督の最新作「アステロイド・シティ」のプレミアにカスタムメイドのプラダのドレスで登場し、背中に彫った巨大な花のタトゥーを披露して注目を集めました。胸や腕の内側などに少なくとも8つの小さなタトゥーがあることで知られるヨハンソンは、背中が大きく開いた大胆なドレスを美しく着こなし、称賛を集めました。

この日のレッドカーペットでは、他にも共演するトム・ハンクスが、妻のリタ・ウィルソンと共に険しい表情でスタッフと口論するような場面がキャッチされたことも話題になりました。

ジョニー・デップ

5月16日、カンヌ国際映画祭開会式に登場したジョニー・デップ(AP)

男性陣で注目を集めたのは、ルイ15世を演じる復帰作「ジャンヌ・デュ・バリ－」のレッドカーペットに登場したジョニー・デップ。

元妻で女優のアンバー・ハードへの家庭内暴力（DV）疑惑で「ファンタスティック・ビースト」シリーズの降板を余儀なくされていたデップは、オープニングを飾った同作の上映会にディオールのデザイナー、キム・ジョーンズによる特注タキシードで出席して注目を集めました。7分間のスタンディングオベーションに涙を見せる様子もありましたが、ネットでは「歯が汚い」と変貌したルックスが話題に。レッドカーペット登場に際し、香水の広告塔を務めるディオールがデップの身だしなみを整えるために専門家を派遣したという報道もあり、久々のレッドカーペット登場はなにかと話題になりました。

【千歳香奈子】（ニッカンスポーツ・コム／芸能コラム「ハリウッド直送便」）