三遊亭王楽(46)が来年2月に7代目三遊亭円楽を襲名することが発表されました。5代目圓楽、その弟子の6代目円楽はともに人気演芸番組「笑点」にレギュラー出演しました。5代目は1966年の番組スタートから司会を含めて40年、6代目は楽太郎時代の77年から亡くなる22年まで45年も「笑点」の顔でした。
ところで、初代から4代目までの円楽はどういう落語家だったのか。5代目圓楽は自ら書いた「圓楽 芸談 しゃれ噺」で歴代の円楽について触れています。初代は落語の中興の祖と言われる三遊亭円朝の門下で、もともとは歌舞伎役者だったそうです。円楽を経て、3代目三遊亭円生を襲名しています。2代目も円朝門下で、若き日の5代目三遊亭円生に稽古をつけたりしていたようですが、落語家としては長い間売れなかったそうです。そして3代目が芝居噺を得意とした8代目林家正蔵(後の初代林家彦六)です。4代目は後の3代目柳亭市馬ですが、円楽を名乗ったのはわずか2週間だったそうです。
8代目正蔵の薦めもあって5代目が円楽を襲名した時に、3代目市馬から連絡があって、「おやめ、あの名前は不吉だから」「一生売れないか、早死にするか。どっちにしてもいいことかないから、おやめなさい」と言われたそうです。確かに初代は43歳で亡くなり、2代目は売れなかった。4代目だった3代目市馬も53歳で亡くなっています。
忠告に逆らって襲名した5代目ですが、結果はご存じのように大いに売れました。5代目は「先代が売れてたりすると、そのあとの人は割を食う」「幸い、あたしは先代がわずか2週間継いだだけ。その前は彦六師匠ですが、円楽を継いだことを知っている人はほとんどいないから、比較されることがない。そういう意味では得をしている」と書いています。
その点で言えば、7代目を襲名する王楽には大変なプレッシャーがあると思います。5代目、6代目と2代続けて人気落語家ですから、7代目がその流れを止めるわけにはいきません。王楽は5代目の最後の弟子で、6代目は兄弟子になります。襲名を発表した時の「五代目六代目が大きくした名跡を汚さぬよう精進いたします」とのコメントには、7代目を継ぐ覚悟を感じます。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)




