5月は歌舞伎界の次代を担う御曹司による話題の公演が相次ぎます。

歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」(3~27日)では尾上左近(20)が3代目尾上辰之助を襲名します。襲名披露は昼の部が「寿曽我対面」の曽我五郎、夜の部が「鬼一法眼三略巻 菊畑」の奴虎蔵実は牛若丸に挑み、劇中では襲名口上も行われます。曾祖父の2代目尾上松緑、祖父の初代辰之助、父の松緑(51)は立役ですが、左近は優しい顔立ちで女方も演じており、近年の成長ぶりには著しいものがあります。

新宿のTHEATER MILANO-zaで市川團子(22)が「獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)」(3~26日)を上演します。尊敬する祖父の2代目市川猿翁が復活した人気狂言で、團子は弁天小僧菊之助、芸者雪野など13役を早替りで演じ、父中車(60)は宙乗りを披露します。團子はこれまで学業との両立でしたが、3月に大学を卒業しており、これからは歌舞伎一筋の生活が始まります。

日生劇場では市川染五郎(21)がシェークスピア作「ハムレット」(9~30日)に主演します。祖父松本白鸚(83)は17歳、父松本幸四郎(53)は14歳の時に演じており、3代続けての「ハムレット」挑戦となります。染五郎は13歳の時に早大の演劇博物館の開館90周年記念事業の一環として大隈講堂で「ハムレット」を朗読したことがあり、3代そろって早熟です。

左近は辰之助襲名、團子は祖父から受け継ぐ舞台、染五郎は世界で活躍するデヴィッド・ルヴォ-演出の洗礼と、次につながるそれぞれの挑戦に注目です。【林尚之】

歌舞伎町大歌舞伎 三代猿之助四十八撰の内「獨道中五十三驛」制作発表会見に出席した市川中車(右)と市川團子(2026年2月撮影)
歌舞伎町大歌舞伎 三代猿之助四十八撰の内「獨道中五十三驛」制作発表会見に出席した市川中車(右)と市川團子(2026年2月撮影)