かつて関西テレビのアナウンサーとして活躍し、現在はABCラジオ「粋も甘いも」「征平・吉弥の土曜も全開!」に出演している桑原征平。ことし5月14日の誕生日で80歳となった。そのお祝いイベントが7月のある日、大阪市内のホテルで盛大に行われた。
イベント名は「イッツ・征(ショウ)タイム!」。80歳の節目と、ABCラジオ出演からちょうど20年を祝う会に、昼夜2回のショーに計200人の熱心なファンが詰めかけた。料金は1万円ながら、チケットは即日完売した。
征平さんは歌って、しゃべって、笑わせての大サービス。さらに参加者1人ずつと記念写真を撮ったり、男女問わずハグまでやってくれた。「関西テレビを定年になって、60歳でABCラジオに拾ってもらって20年。きょうもまた、こんなに大勢の人に来てもらって感激です!」と喜びを語った。
ラジオの世界は、テレビ以上に出演者とファンの距離が近い。征平さんは時にシモネタやリアルなおカネ事情をぽんぽん明かし、リスナーの気持ちをわしづかみした。カンテレ時代は「がらがら声」で「標準語を話せない」異色のアナウンサーだったが、体を張ったロケ取材と飾らないキャラクターで関西きっての人気者だった。
ABCラジオでは、さらに「水を得た魚」となった。この日初めて会うファンにも「こんにちわ。どこから来られたんですか?」とフレンドリーに言葉をかけた。偉ぶるとか、自分を大きく見せるようなことは一切しない。そんな80歳に、リスナーは大拍手を送った。
マイクの前でしゃべることだけが自分の仕事だとは考えていない。自らスポンサーを見つけてくる努力を怠らず、記者にいきなり電話をかけて「番組で新しい商品を発売するねん。記事にしてえや」とPRすることもあった。60歳から始まったラジオ生活を心から満喫しているのだ。
75歳だった5年前には、ファンとともに生前葬を行った。この時も笑いにあふれるイベントだった。現在、征平さんよりも年長で活躍しているラジオスターは、浜村淳さんしか見当たらない。「100歳までしゃべる!」が究極の目標。健康維持のため、水泳を欠かさず、しゃべりのために、舌の筋肉を鍛えるトレーニングも行っている。
すでにラジオ界のレジェンドだが「3人の孫が成人するまでは」と、まだまだ仕事に貪欲。イベントのエンディングでは「次は10年後、またお会いしましょう!」と90歳での再会をリスナーと約束した。
わがままで大人げない80歳。それでも、なぜか周囲から愛される桑原征平。引退する日は、もっと先でっせ。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)




