EXILEが明日27日にデビュー20周年を迎えます。「日曜日のヒーロー EXILE20周年特別編」の後編は、EXILE HIRO(52)とEXILE AKIRA(40)が登場。EXILE、そしてLDHのこれまで、そしてこれからを語り合いました。【取材・大友陽平】

★ターニングポイント 09年7人加入第三章

20年。人間で言えば、成人する年齢だ。

HIRO 長いようで短いようで…。一言では語り尽くせませんが、20年たってもEXILEがファンの皆さんに喜んでいただける存在でいるというのがうれしいですし、EXILEの思いがつながって、今のLDHができていると思っています。

ボーカルとパフォーマーが融合したダンス&ボーカルグループは、音楽やライブを通してはもちろん、さまざまな仕掛けで人々を楽しませてきた。

HIRO デビュー当時は、現状のようになるとは全く想像がつかなかったです。EXILEとして世の中に認められたいという強い思いでさまざまな活動をしていくうちに、エンターテインメントの素晴らしさに気付いていって、どんどん視野が広がり、たくさんの仲間が増えて、EXILE=EXILE TRIBE(一族)ができ、LDHとつながっています。EXILEの捉え方は人によって違うと思うんですけど、信念は変わってないです。

その源流にあるのは、HIRO自身の経験という。

HIRO 思い通りにいかない時期が長かったので…。目標や夢を達成しても、それを失った時の大変さを感じていたので、達成した成果をキープし、新しいことに挑戦していく心意気でずっと進んできました。

06年にEXILEに加入したAKIRAも、HIROらが作り上げてきた“魂”を守り続けてきた。

AKIRA HIROさんの経験談から、いろいろなことを学んできました。ダンス&ボーカルグループという枠を超えた仲間のあり方や絆を創出してくださって、常にいろんな刺激を受けて、それぞれ夢を追うことができています。

20年の中で、ターニングポイントの1つとして、HIROは09年3月に、二代目 J Soul Brothers(当時)のメンバー7人がEXILEに加入した時を挙げた。

HIRO 今のLDHになる1番のポイントだったと思います。06年の第二章でAKIRAとTAKAHIROが加わり、さらに勢いを増して、脂も乗ってきている段階で、人数が倍に増える…。単純に人数を増やしたのではなくて、5年後、10年後のEXILEのあり方を考えましたし、メンバーそれぞれの人生も見ていました。そして自分がパフォーマーから退いたタイミングでも、さらにEXILEのあり方を追求したかったですね。結果として、EXILE TRIBEになって、若い世代のアーティストの力が集結されて、今のLDHにつながってこれたので、あそこの勝負は大きかったのかなと思います。

AKIRA 当時は、ものすごい気合の日々でした。さらにその年の11月に、『天皇陛下御即位二十年をお祝いする国民祭典』で奉祝曲『太陽の国』を献納させていただきました。想像もしてなかったことでしたが、1つのことを突き詰めて、自分たちのスタイルを信じて毎日を一生懸命向き合っていけば、そういうところで踊らせていただく機会を与えてもらえるんだなと…。1番の親孝行でした。

★“新生”14人体制始動 1つの時代変わり目

20周年を迎えるタイミングを前にATSUSHI(41)が卒業し、オリジナルメンバーがいない14人体制の“新生EXILE”が始動している。

HIRO 機動力が増していると思いますし、いろいろなことにチャレンジしやすい環境にはなっていると思います。

AKIRA もちろん、これまで20年積み重ねてきた“EXILE魂”がありますし、時代に合わせたアプローチも含めて、「NEW EXILE」という、1つのプロジェクトという感じになっているのかなと思います。コロナ禍であることも含めて、1つ時代の変わり目を任されているとも思います。20年応援してくださったファンの皆さんに寄り添いながら、未来もしっかりと提示していかなければいけない立場でもあるので、この記念イヤーを“EXILE祭り”にしていきたいです。

HIRO 具体的なエンターテインメントや企画は、コロナ禍の前から準備してきていますし、状況に合わせてどんどんおもしろいこと、ファンの皆さんに喜んでもらえるようなことは発信していけるかなと思っています。コロナ禍で気付けたことや浮き彫りになったこともあって、それはLDH全体としても改革中です。メンバーも1人1人が本当の意味で自立できるような環境を僕は提供して、それを若い世代につなげて、今のLDHの輪をどんどん大きくしていければと思っています。

Z世代対象のLDH史上最大規模のオーディション「iCONZ~Dreams For Children~」も開催中。AKIRAはEXILE TRIBE新グループのプロジェクトリーダーだ。

AKIRA 思い返してみれば、LDHにとってオーディションは、何かまた一つ動きだす時に必ずあった大きなお祭りですので、ただ若手を発掘するだけでなく、それがEXILE TRIBEに還元できるような流れにしていけたらと思います。参加者の皆さんからまたドラマが生まれてくると思うので、楽しみです。

HIRO AKIRAは新生EXILEを引っ張っていますし、LDHの志を教えてくれる先生のような感じではありますが、表現者としても、さらにもう1つ上のステージにいける逸材です。AKIRA自身の魅力もまだまだ伸びると思うので、そこも楽しみにしています。

20周年を機に、さらにEXILEを未来につなげていく。2人にとって、「EXILE」とは?

AKIRA 「生きざま」であり、後輩や仲間たちにとっても「道標」となるような存在にならなきゃいけないと思います。20周年もワクワクしていただけるような1年になればと思います。

HIRO 自分の中では、いい意味で1つの「ブランド」になっていると思います。もちろん、EXILEは自分の生きざまで、ストーリーですが、自分の中では今はそれが「LDH」になっています。冷静に客観的にみると、例えば昔から有名なファッションブランドも、どこかのタイミングでデザイナーが変われば、見え方や印象も変わると思うんです。そんな大きなタイミングに来てるのかなと思いますし、ファンの人たちに楽しんでもらえるブランドに進化させていくのはどういうことなのか、突き詰めていきたいです。

◆EXILE(エグザイル)

HIROを中心とした「J Soul Brothers」から、01年に改名し結成。同年9月27日にシングル「Your eyes only~曖昧なぼくの輪郭~」でデビュー。08~10年、13年に日本レコード大賞など受賞多数。

◆EXILE HIRO(エグザイル・ヒロ)

1969年(昭44)6月1日、神奈川県生まれ。90年にZOOのメンバーとしてデビュー。99年に「J Soul Brothers」を結成し、01年にEXILEに。13年末にパフォーマー勇退。02年、LDHの前身となる「エグザイルエンタテインメント有限会社」を設立し、現在はLDHのチーフ・クリエイティブ・オフィサー。

◆EXILE AKIRA(エグザイル・アキラ)

1981年(昭56)8月23日、静岡県生まれ。06年にEXILE加入。16年9月からEXILE THE SECONDに加入。役者としても活躍し、17年にはハリウッド作「沈黙-サイレンス-」に出演。同年からアジア人初のラルフローレンアンバサダー就任。

◆iCONZ

LDH史上最大規模のオーディションでHIROが総合プロデューサー。Z世代の男女が対象で、ボーカル、ラップ、ダンスの3部門。10月24日開始のテレビ東京系新番組「~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z」(日曜午後9時)で密着も。

(2021年9月26日本紙掲載)

デビュー20周年を迎え過去と未来を語ったEXILE HIRO
デビュー20周年を迎え過去と未来を語ったEXILE HIRO
EXILEがデビュー20周年を迎え過去と未来を語ったEXILE AKIRA
EXILEがデビュー20周年を迎え過去と未来を語ったEXILE AKIRA