喉頭がんで療養中の音楽プロデューサーつんく♂(46)が4日、プロデューサーを務める近大(大阪府東大阪市)の入学式に出席し、声帯を摘出したこと明かした。

 昨年10月に喉頭がんが再発見されたことを公表後、初めて公の場に姿を見せたつんく♂は母校の新入生約7000人へ大型スクリーンを使い、メッセージを流した。衝撃のメッセージが流れたのは中盤だった。

 「なぜ、今、私は声にして祝辞を読み上げることが出来ないのか…。それは、私が声帯を摘出したからです。去年から喉の治療をしてきてましたが、結果的に癌が治りきらず、摘出するよりほかなかったから一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました。また振り出しです」

 首に白いストールをまいたつんく♂はステージの中央に立ち、新入生たちを見つめた。

 「私も声を失って歩き始めたばかりの1回生。みなさんと一緒です。こんな私だから出来ること。こんな私にしか出来ない事。そんな事をこれから考えながら、生きていこうと思います」

 黒のスーツに黒のパンツ。つんく♂のメッセージに会場は静まり返った。

 「皆さんもあなただから出来る事。あなたにしか出来ないこと。それを追求すれば、学歴でもない、成績でもない、あなたの代わりは無理なんだ、という人生が待っていると思います」

 壇上から何度も口を動かし、新入生に「おめでとう」と伝えた。

 つんく♂は、昨年9月25日に早期の喉頭がんが「完全寛解しました」と快方に向かっていると報告したが、その後の検査で再び喉頭がんが見つかったとした。10月中旬に声帯を摘出したといい、この日更新した自身のブログでは、声帯をすべて摘出したことを明かした。