劇団ユニット「TEAM NACS」メンバーの安田顕(41)が映画主演することが9日、分かった。映画「俳優 亀岡拓次」(横浜聡子監督、来年1月公開)で、数多くの作品に出演する脇役俳優を演じる。北海道を中心に公開された01年映画「man-hole」で主演は務めているが、全国規模で公開する映画の主演は初めて。

 主人公は、大作から自主映画まで、どんな現場にも駆けつけて監督には重宝される一方、観客や視聴者にとっては、よく見かけるがパッと名前を思い出せない存在だ。居酒屋のおかみに恋をしたり、世界的な巨匠からオーディションの声がかかるなど、地味な人生が急転していく物語。劇中では、泥棒やチンピラ、ホームレスなどさまざまな役を演じ分けており、「七変化」も見どころだ。

 安田自身も「龍三と七人の子分たち」「ビリギャル」「新宿スワン」など数多くの話題映画で脇役として活躍中。実力ある個性派として注目されている。今回の作品について「映画の主演というお話をいただけたこと、本当にうれしく思っております。俳優の主人公を演じるのは、とても得難い経験だったのと同時に難しかった」と話している。

 原作は作家戌井昭人氏の同名小説。09年「ウルトラミラクルラブストーリー」以来6年ぶりの長編作となる横浜監督は「安田さんはいつも現場にごく自然に立っていて、俳優亀岡拓次そのものでした」と話す。