大竹しのぶ(58)渡辺えり(60)キムラ緑子(54)が、来年11月の東京・新橋演舞場公演「三婆」(1~27日の予定)に主演することが14日、分かった。「三婆」は有吉佐和子氏の原作で、急死した金融業の男の妻、愛人、男の妹と3人の女性が同じ家に住んでのバトル、老いても必死に生きる姿を描いた。映画、ドラマになり、73年に小幡欣治氏の脚色で舞台化以降、人気舞台として再演を重ねてきた。

 映画では三益愛子、田中絹代、ドラマでも杉村春子、市原悦子、舞台も北林谷栄、加藤治子、池内淳子ら大女優が演じた。今回、名作を新しい世代で受け継いでいこうと、妻松子役に大竹、愛人駒代にキムラ、妹タキに渡辺、3人にほんろうされる男の部下重助に段田安則(58)という強力な演技派4人がそろった。88年「ガラスの仮面」以来の演舞場となる大竹は「信頼できる仲間たちとこのような演目でご一緒できるなんて、思ってもいませんでした。28年ぶりの演舞場に立てることも楽しみです。思いきり笑って、ホロッとして、一生懸命頑張ります」。

 舞台のラストで文字通り老人となった3人の女性の変身ぶりが客席を沸かせた。渡辺は「素晴らしい女優さんたちが、やり続けていらっしゃる、あの名作に、参加させていただけることを、光栄にうれしく思っています」と言えば、キムラも「学ぶことばかりの日々になるのでしょう。そのような時をいただいたことに感謝するばかりです」。重助役も有島一郎、いかりや長介ら名優が演じており、段田は「今回の新しい三婆との共演は、楽しみでもあり、恐ろしくもあり、です」と戦々恐々としている。