俳優の故二谷英明さん(享年81)の妻で、映画やテレビドラマで幅広く活躍した女優白川由美(しらかわ・ゆみ)さん(本名・二谷安基子=にたに・あきこ)が14日午後、急性心不全で亡くなっていたことが15日、分かった。79歳。元女優の長女二谷友里恵さん(51)が社長を務める「家庭教師のトライグループ」が報道各社に文書で伝えた。英明さんは12年に死去。喪主は友里恵さんが務める。

 清らかで品の良い女性がはまり役。数多くの作品でお茶の間にも人気だった白川さんが、急逝した。14日午後、家族だんらんの時間を過ごしていた時に、急性心不全で倒れたという。すぐに救急車で都内の病院に運ばれたが、息を吹き返すことはなかった。倒れる直前までは元気で、大きな病気もなかったという。

 4年前に夫の英明さんが死去。近年は仕事は抑え、娘の友里恵さん夫婦と同居し、昨年結婚した孫娘たちとも有意義な生活を送っていた。今週も、知人と外食の約束をしていたほどだった。白川さんと親交のあるプロデューサーは、日刊スポーツの取材に「心も体も健康そのもので、仕事もいつでも出来る状態でした。まさか、こんな突然に逝ってしまうなんて…」と絶句した。

 昨年12月末には、所属事務所のカレンダー撮影で、松嶋菜々子らと凜(りん)とした姿を撮った。今年4月21日には都内のホテルで、清酒CM発表会見終了後の井上真央と事務所関係者らと、ランチを楽しむ姿も目撃されていた。本当に、突然すぎる別れだった。

 この日、遺体が安置されているとみられる友里恵さんが住む都内のマンションには、僧侶が出入りする姿が目撃され、多くの生花が届けられた。

 白川さんは1955年(昭30)森永製菓キャンペーンガールに採用され、56年に東宝入り。整った顔立ちから「日本のグレース・ケリー」とのキャッチコピーで売り出されて、同年「ならず者」で映画デビュー。「サザエさん」「サラリーマン出世太閤記」シリーズなど多数の映画に出演。57年には「大番」で初舞台を踏んだ。

 65年に日本テレビ系「奥様はトップレディ」でテレビに初出演。それ以降はテレビドラマで、数多くの母親や祖母役を演じ、近年もNHK連続テレビ小説「おひさま」や「ハケンの品格」「家政婦のミタ」「ドクターX~外科医・大門未知子~」などのヒットドラマで存在感を発揮。TBS系ドラマ「家族ゲーム」(83年)では、長渕剛との共演をきっかけに、85年に「おあいそして」で歌手デビューもした。

 私生活では、64年に日活スター二谷さんと結婚し、同年に友里恵さんを出産。友里恵さんは87年に郷ひろみと結婚も98年に離婚。00年に「トライグループ」創業者と再婚した。

 JRのフルムーンパスのイメージカップルを務めるなど、おしどり夫婦で知られた二谷さんの葬儀では喪主を務め、涙ながらに「今朝、夫の夢を見ました」と語っていた。今ごろは天国で最愛の夫と再会しているかもしれない。ただ、友里恵さん家族は突然の別れに、深い悲しみに打ちひしがれている。

 ◆白川由美(しらかわ・ゆみ)1936年(昭11)10月21日、東京都生まれ。56年に東宝入社。同年の映画「ならず者」で女優デビュー。「サザエさん」などシリーズ映画に出演。61年に小津安二郎監督「小早川家の秋」。ドラマは「家族ゲーム」「パパとなっちゃん」「純ちゃんの応援歌」など。64年に俳優二谷英明さんと結婚し、同年に長女友里恵さん出産。

<葬儀日程>

 ▼通夜 17日午後6時から、東京都渋谷区広尾5の1の21、祥雲寺(しょううんじ)

 ▼葬儀・告別式 18日午前10時30分から、同所で

 ▼喪主 長女の二谷友里恵(にたに・ゆりえ)さん