宮崎あおい(31)は02年に「害虫」で新人賞、11年に「ツレがうつになりまして。」「神様のカルテ」で主演女優賞を受賞しており、今回の助演女優賞受賞で“3冠”を受賞した。受賞対象作「バースデーカード」で橋本愛(20)演じる主人公の母を、「怒り」では渡辺謙(57)演じる漁師の娘を演じた。冒頭のあいさつでは、2作品をはじめ、出会いの多かったこの1年に感謝した。

 「えぇっ…ありがとうございます。年を重ねて、自分が母親役をやらせていただくのも楽しいですし、幸せですし、『怒り』という作品に参加しただけでもうれしいのに(今回の受賞という)ごほうびをいただいた。すばらしい出会いに恵まれた。今までに出会った方、今年出会った方…積み重なって、すばらしい1年になった。感謝します」

 「怒り」では、歌舞伎町の風俗店で働いているところを父に連れ帰られる娘を演じたが、李監督からは増量を命じられたという。女優にとって“太れ指令”は酷な話だが、演じるため、そのタスクに身をささげた。その中、渡辺の娘を演じられて幸せだったという。

 「いっぱい、ご飯を食べました。李相日監督に『少し体重を増やしてください』と言われました。李監督は、それ以上は言ってくださらない。役に近づけるのであれば、増やさなければ不安で不安で…1カ月弱で7キロくらい(増やした)渡辺謙さんは大好きなので、幸せで幸せで」

 年齢を重ねる中、「バースデーカード」で母を演じたことで喜びも感じた。

 「母親役をやるたびに、子どもが増えていく感じ、その後(子どもを演じた役者を)テレビで見ると、頑張っているかな、とか」

 前年受賞者の長沢まさみ(29)が、楯のプレゼンターとして登壇した。今年は背中が大きく開いた衣装で登場した長沢は、「宮崎さんは憧れで学生の時、よく見ていました。楯をお渡しできて光栄。昔、何度かお仕事をさせていただきましたが、持っている空気感が、他の女優さんとひと味違う」と宮崎を祝福した。

 花束プレゼンターとして登壇した「怒り」の東宝・川村元気プロデューサーは、「僕は何回か、お仕事をさせていただいている。淡々と演技に向き合うタイプだが、『怒り』はこんなところに追い込んで申し訳ないと思いながら、何倍もすごいお芝居をしてくれた。完全に次のステージにドーンと言ってしまった。次、どんな仕事を持っていけばいいか不安」と、宮崎の今後の起用について“うれしい悲鳴”を上げた。