宝塚歌劇星組公演「スカーレット・ピンパーネル」新人公演が28日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、6年目に入った天華(あまはな)えまが、本公演主演の同組トップ、紅(くれない)ゆずるのアドバイスを受け「キラキラできました」と笑顔で語った。

 天華は前トップ北翔海莉のサヨナラ公演だった前作「桜華に舞え」に続き、2作連続でセンター。今回は新トップ紅の本拠地お披露目作で、天華は「紅さんも大事にされている作品ですから余計に…」と言い、普段以上に緊張していたという。

 新人公演の開演前、緊張感に包まれていた天華に向かい、紅は「ドーンといったらええねん」と背を押してアドバイス。天華の緊張も一気にほぐれた。

 さらには「今日は朝イチで(紅から)『キラキラ、楽しんで』ってメールもいただきました」とも。天華は無事に大役を終え「とても大事にされている役なのに、ああいう言葉で送り出してくれるさゆみさん(紅)の懐の広さ、大きさに感謝したい」と話した。

 「スカーレット・ピンパーネル」は、97年にブロードウェーで初演。フランク・ワイルドホーンの名曲をもとに、宝塚版では冒険活劇、すれ違う夫婦の心理描写を濃く描写して08年の星組で初演。新人公演世代だった紅は、08年の新人公演で初主演し、飛躍へのきっかけをつかんだ。これまで10年には月組で再演されていた。

 物語は18世紀末のフランスが舞台。フランス革命後、貴族を次々に処刑していた革命政府に反感を抱く英貴族パーシーが、「スカーレット・ピンパーネル」を名乗り、貴族を逃亡させる活動を描く。

 パーシーの妻で人気女優、ヒロインのマルグリット役は、天華と同期の有沙瞳(ありさ・ひとみ)。雪組から移り、今作の本公演から星組生として出演している。有沙は「最後の天華と夫婦で愛を確かめ合う場面は、マルグリットが一番、幸せな気持ちになる。私も本気で泣いてしまいました」と話していた。

 東京宝塚劇場での新人公演は5月18日。