吉本新喜劇の「ミポリン」こと、マドンナ役で活躍した中山美保(本名・石田美保子)さんが2月7日午後、肺血腫による呼吸困難のため、大阪市内の病院で亡くなっていたことが4日、分かった。78歳だった。葬儀・告別式は密葬として終えられている。

 中山さんは09年12月に新喜劇に出演後、体調を崩し、「再生不良性貧血」と診断。その後は自宅で療養を続けていた。

 中山さんは、徳島市出身。大阪・千日劇場で美人喜劇女優として活躍した後、67年ごろ、吉本新喜劇へ加入。新喜劇きっての美貌で、山田スミ子、片岡あや子らとともにヒロイン役として新喜劇をけん引した。

 80年代に入ると、歌手・中山美穂と同じ呼び名であることから「吉本のミポリン」と呼ばれ、自らもギャグにするなどし、親しまれてきた。関西では「ミポリン」と言えば「新喜劇の中山美保」だった。

 89年の「新喜劇やめよッカナ!?キャンペーン」も乗り越え、桑原和男、池乃めだからとともに残留。90年代には、関西のテレビ番組で、若手時代のダウンタウンと共演するなどし、メディアでも人気を博した。以降もベテラン女優として新喜劇を支えていたが、近年は闘病生活に入っていた。

 中山さんは、上方漫才を生んだ「横山エンタツ・花菱アチャコ」のエンタツさんの長男と結婚。往年の吉本新喜劇を支えた故花紀京さんの義姉でもあった。関係者によると、すでに夫は亡くなっている。