歌舞伎俳優・市川海老蔵(39)が23日、自主公演「市川海老蔵 第四回 自主公演 ABKAI 2017~石川五右衛門 外伝 ~」を上演中の東京・渋谷のシアターコクーンで会見を開き、妻の小林麻央さん(享年34)が22日、乳がんで亡くなったことを明らかにした。

 海老蔵は、取材陣から麻央さんがどんな妻だったかと聞かれ「僕を変えた奥さんなんじゃないですか」と語った。会見の一問一答は以下の通り。

 -約3年の闘病生活…今、1番浮かんでくる麻央さんの姿は

 海老蔵 どういう表情? 全部です。初めて会った時の彼女から、今日の朝まで全部です。(笑顔は)多かったと思います。

 -麻央さんとこれまで話した中で、麗禾(れいか)ちゃんと勸玄(かんげん)くん、2人のお子さんについて話したことで印象に残っている言葉は

 海老蔵 心残りだと思います。2人のことについて、どうすればいいんだろうって考えても、答えが出なかったものだと思います。いろいろなこともあり、今回も子どもたちが舞台(「ABKAI」)に出演したり、7月(「七月大歌舞伎」夜の部「駄右衛門花御所異聞」)も、せがれが出るんですけど、そういうのを見に来ることも、1つの目標として、いろいろ作ったんですけど…きっと見ていると思うんでね。心配で心配でしょうがないんじゃないでしょうか?

 海老蔵は、そう口にすると、涙で声を詰まらせた。

 -託されたことはある?

 海老蔵 ちょっと、多すぎて言葉に出せないですよね。もちろん、今も舞台をやっているわけで、この後も舞台がありますし、来月もすぐにありますし、子どもの稽古もありますし、麗禾の成長のこともある。やっぱり…5歳と4歳ですから、これから、お母さんという存在が、彼女や彼には非常に重要な存在なわけではないですか? それを、やはり失った…僕は代わりにはなれないですけども、出来る限りのことをやっていくようにと思っています。

 -麻央さんが、よく言っていた言葉で思い出されるのは?

 海老蔵 やはり、言葉というか…お姉さんの麻耶さんが、ちょっと調子が悪くなった時も、例えば私が舞台で非常に疲れた時も、彼女自身は、やはり、もっと大きな病にかかっている。そして、お母さまが看病で疲れている時も、麻央の方がもちろん大変なのに、やはり自分のことより相手のことを心配する優しさ。こういう言葉ということではなくて、どこまでも自分よりも相手のことを思う気持ち…これはねぇ…1番、多かったですね。

 -麻央さんと出会って、結婚して家庭を築いて今、あらためて麻央さんは、どんな奥さんだった?

 海老蔵 そうですね…分かりませんね。どんな奥さん? 僕を変えた奥さんなんじゃないですか? (どこを変えたかは)分かりません。

 -麻央さんはプロポーズで「来世も再来世も一緒にいようね」と言った言葉が1番、響いたと言っていた

 海老蔵 そのつもりです。その話もしました。僕が愛想を尽かされないように、頑張らないといけないので。

 -その話をしていた時、何と言っていた?

 海老蔵 元気な時? 喜んでいましたよ。

 -あらためて麻央さんに言いたいことを

 海老蔵 まだね、昨日の今日なので…こういうところも、聞いていると思うので。全部、聞いていると思うので、言うことは言わなくても伝わると思うので。(言いたいことは)いつも思っているようなことですね。

 -最後に麻央さんのブログに励まされた方にひと言

 海老蔵 麻央のブログや麻央の存在で励まされた方々がいらっしゃるということで今回、このような形をある意味、取らせていただいたと思うんです。実際、そういうことがなければ、このようなことをご報告すること自体が、まぁ…形としてはどうかと思います。ですが、そういう多くの麻央のことを応援してくださった方、そしてまた麻央のことをともに闘っている方々、本当に昨日、先に旅立ちましたけれども、ずっと麻央は、きっと皆さまの側にもいると思いますので、本当にいろいろと、ありがとうございました。

 会見は午後2時57分、終了した。会見にはスチルカメラ80台、ペン記者60人、ムービーカメラ50台、マスコミ全員で400人が集まった。【村上幸将】