木村拓哉(44)が、刑事役に初挑戦することが11日、分かった。19年公開の映画「マスカレード・ホテル」(鈴木雅之監督)で主演する。東野圭吾氏の同名小説を原作としたミステリーで、警視庁捜査1課のエリート刑事を演じる。女優長沢まさみ(30)と初共演も果たす。

 木村演じる主人公の新田浩介は、都内で起こった3件の殺人事件を捜査し、次の犯行場所となる都内のホテルを特定する。ホテルマンとして、潜入捜査に臨む。木村の教育係に任命された長沢演じるフロントクラークと衝突し合いながらも、次第に信頼関係を作って犯人を追っていく。

 木村はこれまで、総理大臣、外科医、レーサー、パイロットなど、連続ドラマだけでも20以上の役柄を演じてきたが、刑事はなかった。親しい関係者の間でも意外だったという、初の役柄となった。上原寿一プロデューサーは「実はこれまでに刑事役を演じたことがない木村拓哉さんが満を持して演じたら、絶対に面白いと思ったところ、快く引き受けてくださり、東野先生にも快諾いただけました」と明かす。

 木村は16年末のSMAP解散後、今年4月公開の「無限の住人」で主演。来年には主演映画「検察側の罪人」公開も控えており、3年連続で主演映画が公開されることになる。ソロ俳優として、着々と実績を重ねていきそうだ。

 「マスカレード・ホテル」の撮影は、今月7日に都内近郊で始まった。木村は「職業は刑事ですが、潜入捜査であり、ホテルマンでもあるので、そのバランスが非常に面白いです。ホテルマンの制服に袖を通すと、自然と背筋が伸び、この作品に関わっている間はずっと姿勢が良いと思います。プレッシャーはありますが全力で頑張ります」と笑顔で話している。

 ◆「マスカレード・ホテル」 08年から月刊誌「小説すばる」に掲載され、11年に単行本として発刊。シリーズ累計275万部を突破した「マスカレード」シリーズの第1作。都内で起こった3件の殺人事件には不可解な数字の羅列が残されており、予告連続殺人として捜査が始まる。ホテルマンに扮(ふん)した新田(木村)が犯人を追うが、事件は急展開を見せる。木村は東野氏作品初出演。