歌舞伎俳優中村芝翫(52)がシェークスピアの4大悲劇の1つ「オセロー」(来年9月、東京・新橋演舞場)に主演することが20日、発表された。昨年10月の襲名後、歌舞伎以外の舞台に初出演する。初のシェークスピア作品で、愛憎入り乱れる将軍オセローを演じる芝翫は「役者である以上、1度はやってみたいあこがれの大作であり、大変うれしく思っております」とコメントした。

 演出を務める井上尊晶氏は、故蜷川幸雄さんの助手を長く務めた。芝翫は、蜷川さん演出の舞台「たいこどんどん」に、6年前の橋之助時代に出演しており「蜷川さんの魂を受け継ぐ井上さんをお迎えし、同世代で芝居を作り上げていく挑戦」と位置づけ、意気込んでいる。

 共演は、同じくシェークスピア作品初の檀れい(46)と今井翼(36)。オセローの妻デズデモーナを演じる檀は「出演できることに幸せを感じています。18年秋はシェークスピアの世界にどっぷり浸りたい」。オセローとデズデモーナの仲を引き裂こうとする偽善の忠臣イアーゴー役の今井は「ストーリーをかき乱すキーマンとなるよう、しっかりと演じさせていただきます。このような癖のある役柄は以前から演じてみたかった」と、期待をふくらませている。音楽は松任谷正隆が務める。