西郷輝彦(70)が11月30日、がん再発を告白した。所属事務所を通じて、報道各社に文書を送付して公表した。6年前に前立腺がんと診断され、全摘出手術を受けていたことも明かし、「(術後の)経過も良く、仕事を続けてくることができましたが、最近の検査で再びがんが発覚し、医師と相談したところ、来年春ぐらいまで治療を最優先にすべきとのご指導をいただきました」と説明している。
所属事務所によると、今年秋の検査で再発が判明。10月もコンサートを行うなど精力的に活動していた。当面は休業ではなく「現在決まっている仕事があり、体調を考慮しながら仕事をさせていただきたい」という。12月16、23日に予定しているディナーショーは、開催する方向で調整を進めている。
ただ、出演予定だった来年3月の唯月ふうか(21)主演のミュージカル「舞妓(まいこ)はレディ」(福岡・博多座)については「現状の体力では完遂が厳しいこと、何より、博多座の皆さま、共演者の皆さま、お客さまにご迷惑をお掛けしてしまう」として降板する。代役は辰巳琢郎(59)が務める。
西郷は「1日も早く皆さまの前に、完全復活した姿で、歌と芝居のパフォーマンスをご披露できるよう、心して病と向き合う所存でございます。多大なご迷惑をお掛けすることになりますが、皆さまの温かいご理解の程、何とぞ、よろしくお願い申し上げます」とファンや関係者に向けた言葉をつづっている。
◆西郷輝彦(さいごう・てるひこ)1947年(昭22)2月5日、鹿児島県生まれ。64年シングル「君だけを」で歌手デビュー。同曲と「十七才のこの胸に」で日本レコード大賞新人賞。橋幸夫、舟木一夫と「御三家」と呼ばれ人気を得た。代表曲は「星のフラメンコ」「初恋によろしく」など。俳優としても映画「柳生一族の陰謀」などに出演。176センチ。血液型A。
◆前立腺がん 50代以上の中高年男性に多くみられる。他の臓器と比較して進行が遅く、早期発見できれば治りやすいといわれるが、初期では自覚症状が少なく発見が難しいとされる。排尿障害や血尿が出ることもある。最近は患者数が増加傾向にあり、男性では胃がん、大腸がん、肺がんに次いで4番目に罹患(りかん)率が高い。