1985年(昭60)の日航機墜落事故で亡くなった坂本九さんの妻で女優の柏木由紀子(69)が7日、長女の歌手大島花子(44)と次女の女優舞坂ゆき子(41)と、「坂本九ファミリー クリスマスコンサート」を都内で行った。

 12回目を迎える今年は三十三回忌の節目。6日に発売した坂本さんの遺作「心の瞳」CDでは、3人がコーラスで参加した。

 コンサート前に会見をした柏木は、曲が出来上がった当時を懐かしそうに振り返った。「(坂本さんが)曲ができて、息せき切って帰宅しました。カセットテープで、『いい曲ができたから聞いて、聞いて』と、すごく喜んで帰ってきたのを思い出します。『僕たちのことを歌っているような曲だよ』と話していました」。

 初のCD化は、多くのファンの後押しがあったから実現した。「中学生からいただいた手紙に『音楽の教科書の合唱曲でみんなで歌っています』とありました。中学生たちと一緒に、この『心の瞳』を歌い継いでいきたいと思った」という。

 レコーディングは当初、プロの歌い手がコーラスで参加した。ところが、ディレクターが「どうもしっくりこない」と納得がいかず、柏木ら「坂本ファミリー」に依頼。3人の歌声に太鼓判を押した。

 柏木はレコーディングの時のことを「(坂本さんが)すぐそこにいて一緒に歌っているように感じました」としのんだ。

 花子は「父の歌を感じられて感無量です」。ゆう子も「光栄です」と話した。

 12月はファミリーにとって特別な月だ。8日は夫婦の結婚記念日。10日は坂本さんの誕生日で24日は柏木の誕生日だ。今年で古希を迎える柏木は「(坂本さんが)亡くなって32年がたちます。テレビなどで1度も歌ったことがない『心の瞳』がCDになってよかった。すごく良い曲です」とアピールした。