女優三倉茉奈(31)が14日、デビュー作のNHK朝ドラ「ふたりっ子」の舞台でもあった大阪・通天閣へ“凱旋(がいせん)”し、出演時の10歳当時、収録中に「おじさんからもらった500円」の温かみを語った。

 この日は、大阪・新世界を舞台にした人情劇「泣いたらアカンで通天閣」(来年2月1~10日、大阪松竹座)の製作発表会で、主演の赤井英和(58)とともに、通天閣階下のスタジオ取材に応じた。

 「この通天閣って、昔は子供にはもう少し怖いイメージがあって、(朝ドラ)収録で初めて行ったんです。(双子姉妹の)佳奈と2人で撮影していたら、おじさんが寄ってきて、怒られるのかと思って、びくっとしてたら『テレビ見てるで。頑張りや』と言って、500円くれたんです。なんて、あったかい街やろって、すごく感動しました」

 22年前、少女時代の懐かしい思いを胸に、通天閣を舞台にしたドラマへの思いを語った。

 今作は、新世界の北側にあるラーメン店主を中心に起こる人情ドラマ。店主を赤井、その娘を三倉が演じる。

 赤井、三倉は最近まで高畑淳子主演の舞台「土佐堀川」でも、親子役を演じており、三倉は「前回、赤井さんはお金持ちのボンボン役だったので、赤井さんっぽくなかった。今回は、素に近いので楽しみです」と、赤井を見やってニンマリ笑った。

 今回、赤井の役柄は、店の仕切りを母に任せ、友達とゴルフに行くなどし、落ち着きはないが、空腹な子供を見ると、食事をあげるなど、典型的な“世話焼きの大阪人”設定だ。

 これに赤井は「仕事もせずに、のんべんだらりと過ごしてる男。オレにぴったり。芝居もせんと地でいけるんやないかと思ってます」。原作、わかぎゑふ(58)の脚本もすでに読み「笑って、泣きました。泣けます。涙は心を洗うものやと思うてますんで、お客さんには泣いて笑って、きれいな気持ちになって帰ってもらいたい」と語った。

 また、三倉は「大人の恋愛事情」に翻弄(ほんろう)される展開があり、これには「私自身もいいお年頃なので、すてきな出会いがあるといいなとは思いますが…」と苦笑。今年のクリスマスは「独身の友達同士で集まったり、佳奈の家族とクリスマス会したり、ハード(スケジュール)になりそうです」と話していた。