時代は確実に変わっている。17日に東京・ビッグサイトで、国内の人気ユーチューバーが集まった「YouTube FANFEST(ユーチューブ ファンフェス)」を取材した。オープニングアクトは、日本一有名なユーチューバーHIKAKINの得意のボイスパーカッション。続いて、荻野目洋子の往年のヒット曲「ダンシングヒーロー」を復活させた、大阪府立登美丘高校ダンス部も、見事なバブリーダンスを披露した。

 そして、このステージには、人気シンガーも多数出演した。今年頭角を現したBeverly、カナダのシンガー・ソングライターのショーン・メンデス、トリにはきゃりーぱみゅぱみゅまで出演した。

 ところが、だ。最初に全出演者が紹介された時に、観客1万人から大歓声が上がるのは、これらの人気アーティストではなく、ユーチューバーばかり。

 ユーチューブ動画が大好きな幼稚園児2人の娘を持つ父親の私なので、HIKAKINやはじめしゃちょー、フィッシャーズぐらいは分かったのだが、失礼ながら、スカイピースや東海オンエアらはよく知らなかった。それでも、彼らの人気は絶大で、きゃりーぱみゅぱみゅよりも大歓声が沸いていた。女性の悲鳴のような黄色い声援はもちろん、子どもたちも大喜びしている。

 昔から、スポーツ新聞の芸能記者は、日本のエンターテインメント業界を最も手広く、かつ深く取材するメディアであったはずだが、もうとっくに我々は、時代に乗り遅れていると痛感させられた瞬間だった。

 CDセールスは低調で、流行歌も生まれにくい中で、芸能の音楽担当記者は、本当に時代の最先端を取材しているのだろうか。テレビドラマの視聴率が、1ケタも当たり前になった現代で、芸能のテレビ担当記者は、本当に旬を取材しているといえるのだろうか。

 決して、それらを否定するつもりはない。ただ、少なくとも、今までの芸能分野では、ほとんど比重が置かれなかったSNSや動画サイトのエンターテインメントも、本腰で取材していかなければならないのは、間違いない。

 日刊スポーツでも、人気ユーチューバーや人気インスタグラマーの紹介連載は、実現させていかなければ。2018年の新たな課題を突きつけられた夜だった。