昨年12月に放送された日本テレビ系「女芸人No.1決定戦THE W」でファイナリストとなり、一躍注目を集めたのがピアノ芸人、まとばゆう(32)だ。今月から、有吉弘行、ダチョウ倶楽部らが所属する大手芸能プロダクション「太田プロ」の所属となり、まさに夢への第1歩をつかみ取った。今年新たな1歩を踏み出したいという彼女に、その思いを聞いた。

 女芸人日本一を決める「女芸人No.1決定戦 THE W」で決勝進出を果たした。エントリー数636組の中から、決勝に残ったのは5組。ファイナリストには優勝したゆりやんレトリィバァ(27)ら、すでに売れっ子が名を連ねた。そんな中、唯一の音ネタで決勝進出を果たしたまとばの活躍が太田プロの目に留まった。

 「太田プロさんに拾っていただいて、この1月から所属できました。『THE W』は人生で一番うれしい1日でした。私がコンプレックスだと思っていた平場のトークも褒めてくれたのがうれしかったです。だから私は勝手に運命だと思っています」

 音楽の実力は本物。日大芸術学部大学院音楽芸術作曲科修了の経歴の持ち主だ。そんな彼女がなぜ芸人となったのか。

 「卒業して音楽事務所に入りたくてデモテープを送りましたが、全く反応がなかったんです」。それでも諦めず、「音楽を生かしたパフォーマンスができれば」という思いからお笑い事務所にもデモテープを送ったという。その結果「音楽ができるならお笑いもできるよ」といわれ芸人としてデビューしたものの、その後の道のりは「本当に、苦労しました(笑い)」。昨年8月には、フリーになることを余儀なくされた。

 背水の陣で臨んだ「女芸人No.1決定戦-」で、大手事務所への所属が決まった。それだけに、デビュー8年目となる今年を「飛躍の年にしたい!」と力説する。「今までも頑張ってきたけど、今年はスタートラインに立てたような気がします。だから、責任をもって世間に後ろめたくないような芸人、どこに出しても恥ずかしくないような芸人になることが目標です」。

 そのために新ネタも作っているという。今年のスローガンは「気分はクレッシェンド」だ。「全国区になりたい!」というまとばの挑戦が始まる。【川田和博】