漫談や歌手の声帯、形態模写で活躍した妻の翠みち代さん(享年82)を亡くした落語家、桂福団治(77)が15日夜、所属事務所を通じて、コメントを寄せた。

 関係者によると、福団治は妻の最期に立ち会っており「芸人として長く活躍した妻でした。晩年は闘病生活を続けていましたが、芸人魂を失わずカムバックを目指していました」と、妻の芸人魂に感服。「私にも、よく尽くしてくれた妻でした」と感謝した。

 翠さんは今月11日午前2時16分、大阪市内の病院で亡くなり、12、13日に通夜、葬儀を親族だけで終え、14日になって、翠さんが亡くなっていたことが明らかになった。

 翠さんは、子供のころから浪曲に親しみ、美空ひばりさんの模写なども得意とした。芸達者な女芸人として活躍する一方、故3代目桂春団治さんの筆頭弟子、福団治さんの妻としても務めを果たしていた。

 福団治によると、翠さんは約3年前から足を悪くし、介護施設で暮らしていた。今年1月末、体調不良を訴え、大阪市内の病院で検査を受けたところ、「末期の胃がん」と告げられ、その後の検査では、肺へも転移していることが分かったという。

 福団治は、今月1日に弟子の桂福車さん(享年56)も亡くしたばかりで、気丈に仕事を続けている。最愛の妻への思いとともに、この日、あわせて近況も報告した。