宝塚歌劇団100期生期待のスター、月組の風間柚乃(かざま・ゆの)が27日、兵庫・宝塚大劇場で行われた「カンパニー -努力、情熱、そして仲間たち-」新人公演で、初主演を務めた。

 故夏目雅子さん、故田中好子さんをおばに持ち、入団時から注目されながらも、地道に役柄の背景を考え芝居に取り組み、初センターをゲット。浴びたトップライトの感想には「すごくまぶしくて…立ちくらんだ…。感想は『立ちくらみ』ですね」と笑わせた。

 14年3月の入団から、間もなく丸4年。宝塚音楽学校時代から、芝居の評価は高く、昨年から新人公演で大役も得るようになった。今作は、伊吹有喜氏の小説「カンパニー」を舞台化。会社員・青柳誠二が、経験も知識もないバレエ団へ出向になり、仲間とともに成長していく物語だ。

 本公演では、若きトップ珠城(たまき)りょうが、誠実でりりしいサラリーマンを好演。衣装に頼れないスーツ物は若手にとっては難易度が高いが、風間はトレンチコートも着こなし「役柄になりきって舞台に立っていられるよう意識していました」と振り返った。

 風間はつねに「役として生きていないと舞台に立っていてはいけない」と、繊細な役作りを心がけている。この日も同じ気持ちで舞台に立ったが「最初に出た段階で(センターに)慣れていないので動揺してしまい、その時点で『ちゃんと役柄として舞台に立てていない』と感じました」と反省点も口にした。

 公演後、すぐに、失敗に向き合えるのも風間らしさ。本役の主演、トップ珠城からは「お芝居をひとつずつしっかりと。スキップしないように。しっかりした軸をもってやりなさい」とアドバイスされたといい、先輩の金言を胸にセンターに立った。

 今作は、現代日本を舞台にした宝塚歌劇ではめずらしい設定だけに「今回はとくに、新人だからということに甘んじて、勢いに乗ったお芝居ではいけないと思っていた。東京(公演)では乗り越えられるようにしたい」とも語った。

 また、今回のヒロインは風間より1年先輩の美園さくら。美園は「今日は毎回、毎回、はける(退場)するたびに反省ばかりでした。でも、舞台袖で風間君に会うと、熱い思いに助けられました。頼もしかったです」と話していた。

 東京宝塚劇場での新人公演は4月12日。