テレビ朝日系で放送中のオーディション番組「ラストアイドル」(土曜深夜0時5分)から生まれた、5つのアイドルユニットが、放送中の2ndシーズンで、2枚目シングル(4月18日発売)の表題曲をかけたバトルを展開してきました。31日深夜の放送回で優勝ユニットが決まるのを前に、ファミリー全ユニットのインタビューをお送りします。最終回は5人組ユニットGood Tears(グッティ)です。総当たり戦は、堂々の1位通過。決勝では、シュークリームロケッツを迎え撃ちます。【森本隆、瀬津真也】

 

 Good Tearsは、最年少の高橋真由(15)をセンターに、池松愛理(21)朝日花奈(20)相澤瑠香(18)王林(19)の5人組ユニット。平均身長163・2センチの長身美女たちが、モノクロのセクシーな衣装に身を包んだ姿は、取材部屋を包んだ香水の香りも相まって、大人の色気がたっぷりだ。

 相澤 他の4つのユニットと違って、異色ですけど、かっこよさをアピールしています。ダンスも激しく、ひと目で違いが分かるグループですね。

 朝日 最初はこういうグループになるとはまったく思わなかった~。

 王林 私はかっこよくなるかなって思ってたよ。背が高い子が多いし、池松も(シーズン1での)ダンス対決がかっこ良かったし、アイドルっぽくないなって。新しいアイドル像を描いていきたいですね。

 総当たり戦の初戦は、ラストアイドルに黒星を喫した。織田哲郎プロデューサーの指示のもと、提供された楽曲「スリル」は当初、スピーディーかつ難解な振り付けだった。準備期間の短さ、「アイドル史上最高難度」とうたわれた振りの難しさで、厳しい戦いを強いられた。

 池松 出だしが4グループの中で1番、てこずりました。振り覚えが大変で、相手と戦う前に、自分たちの精神との戦いでした。

 相澤 準備が2日しかなかったしね。

 池松 だから、まさか1位通過できるとは思わなかったです。発表のとき、事実が飲み込めませんでした。それくらい予想外でしたね。

 振りの練習が始まったのは、なんと収録の2日前。振り覚えに最も苦労したのは、高橋だった。イントロからまったく付いて行けず、泣きだす場面が番組で流された。

 池松 その次に相澤が泣いて、さらに朝日も泣いてました(笑い)。

 高橋 地獄の2日間でした。振りが頭にやっと入ったのが収録当日だったので、まだ人に見せられるレベルじゃないのに、ステージに立っていいのかなと思いました。

 朝日 話し合いをする時間もなくて、とにかく自分のことで精いっぱい。振りの動きが速すぎて、当日まではスローモーションで覚えてたほどなんです。

 高橋 「こんなの2日で覚えられないよー」って。

 池松 「楽しみましょうスリル」という歌詞があるのに、むしろスリルから逃げ回ってました(笑い)。

 王林 追われまくってたね~。

 敗戦を受けて、織田プロデューサーが柔軟に対応した。より歌を強調させるため、振りの変更を指示。ダイナミックで優雅な新ダンスが、よりパンチの増した歌声と絶妙にかみ合った。織田氏による精神的なサポートも手伝って、生まれ変わったGood Tearsの快進撃が始まった。

 池松 踊りが変わって、楽しさが増しました。

 王林 踊りを簡単にした上で歌も聞かせていくって狙いなのに、「(難しい振りを)あきらめた」みたいに思われたくなかった。だからこそ、ここからは絶対に勝ちまくろうと思いました。

 朝日 織田さんには「大事なのは、パフォーマンスするだけでも、勝ち負けでもない。とにかく楽しむこと。楽しみなさい」って言っていただいたんです。

 相澤 その時から「頑張ろう」という言葉が禁止になりました。

 王林 織田さんは「見ている方が10人いたら、10人に響かなくても、1人でも『Good Tearsがいい』と言ってくれる人がいたらそれでいい」って言ってくれたんです。(シーズン1で)負けて悔し涙を流してきた5人なので、それまでは勝ちにこだわり続けていたんです。でも、織田さんのおかげで、楽しんでいけばいいんだなって気づきました。

 高橋 審査員に見られているとか、怖い目だったりすると、こっちも緊張しちゃう。だから、みんなで「今、ライブをやってるんだ」とか「審査員はアリーナ席のお客さん」と思ってパフォーマンスするようにしました。

 アイドルらしからぬアイドルゆえに、人気は5ユニットの中でも下の方だと覚悟していた。だからこそ、5人が頑張った活動があった。総当たり戦で勝敗が並んだ際のタイブレーク方法、番組視聴者投票への呼びかけだ。

 池松 私たちは人気がないと自覚している部分があったんです。だから、勝敗を決めるのに視聴者投票を採用することになって、最初は複雑な気持ちでした。でも、「自分たちが最下位だ」と決め付けず、5人であきらめないようにして、SHOWROOMやツイッターの告知をやろうって頑張ったんです。

 相澤 投票の最終日も、追い込みで知り合いの人とかにも呼び掛けてもらえるように頑張りました。5人全員で土下座の動画を撮って、「お願いします」ってやったよね。熱いグループだから、努力だけをやめないようにしようって。そこはどこよりも頑張ったって自信はあります。

 それが功を奏した。総当たり戦を3連勝で終え、3勝1敗。Love Cocchiとは勝敗で並んだが、視聴者投票の結果で上回り、逆転1位通過を決めた。決勝の相手は、「アイドルの中のアイドル」シュークリームロケッツ(シューロケ)だ。

 池松 私たちは3連勝して、いい流れで来てるんですよ。だからこの調子で、メンバーと自分を信じれば行けるって言い聞かせて、頑張ります!

 相澤 人気がないところから始まったので、最初は不安でした。でも、勝ち上がることができて、ファンの方のおかげで1位通過ができました。シューロケは人気のあるグループですけど、だからこそ下克上して、「いい涙(Good Tears)」を流したいなって思います。

 高橋 1番かっこいいグループと、1番かわいいグループの対決だと思う。

 王林 シューロケは、「ザ・アイドル」って感じだもんね。私たちと人気の差もあるだろうし、系統も私たちとまったく逆。普通なら、シューロケが勝つかもしれない。

 高橋 でも私たちは、総当たり戦でシューロケに1度、勝ってるんですよ。5人で一生懸命に頑張ってきたので、結果を残したいです。

 王林 私たちがここまで来られたのは、私たちのパフォーマンスが好きと言ってくださる方がいたおかげなんです。織田さんも長い時間、真剣に向き合って細かくミーティングを開いてくれました。感謝の気持ちで表題曲を取れるように。気持ちを込めてパフォーマンスしたいです。

 朝日 サムサム(Someday Somewhere)が最初に表題曲争いから落ちて、「次に落ちるのはGood Tearsだ」と言われていたんです。それで落ち込んでいるときに、ケアしてくれたのが織田さんでした。あと、急だったのに振りを変えてくれた(振付師の)NAOKIさんのおかげだと思っています。まさか人気もなくて、期待もされていなくて、世間に求められていないセクシー系グループの私たちが…。

 池松 自虐すぎ!

 一同 (爆笑)

 朝日 でも、そんな私たちが、世間から求められている、かわいいかわいいシュークリームロケッツと戦うので、見返したいんですよ!

 池松 実は、審査員だった大槻(ケンヂ)さんに言われたことがあるんです。「1勝もできないんじゃないかなと思っていた。日本のアイドル好きは、あまりセクシーさを求めていない」って。それで、メンバーの心に火が付きました。

 相澤 大槻さん、Good Tearsには厳しかったんですよ。

 池松 勝敗を決める審査員に言われると、私たちの希望は絶望になっちゃう。さすがに1日はへこみましたけど、次の日からは頑張るぞって気持ちになりました。

 王林 大槻さんだけでなく、そう思ってる方々が世間にもいると思うので、認めてもらえるように頑張りたいですね。

 リーダーとしてグループを束ねる池松には、強力な味方もいる。アイドルグループRev.from DVL在籍時代の同期で、「1000年に1人の美少女」こと橋本環奈だ。

 池松 環奈は番組を見てくれていて、感想を聞くと「1番いいグループだよ」って言ってくれるんです。私が「人気がない」とかネガティブになってると「そんなことないよ~」って言ってくれます。事務所の同期でもあって、「今度ご飯行こうね」って約束してるんです。忙しくて、なかなか実現しないんですけど…。

 朝日 今度、付いてっていい?

 相澤 いつでも行く~。呼んでっ。

 王林 私も~。

 池松 こらこら(笑い)。でもいつか、環奈が出るドラマの主題歌を私たちが歌うっていうのが、ひそかな目標なんです。

 

 ◆Good Tears 高橋真由(15)池松愛理(21)朝日花奈(20)相澤瑠香(18)王林(19)の5人組で、最初に結成、お披露目された2ndユニット。平均身長163・2センチは、ファミリー内で最長身。デビューシングルにはカップリング曲「涙の仮面」で参加した。総当たり戦には、織田哲郎プロデュースの「スリル」で臨み、3勝1敗で1位通過した。王林は青森のアイドルユニットりんご娘を、朝日はTokyo Rocketsをそれぞれ兼任。リーダーは池松。