山田洋次監督(86)が1日、宮崎・日向市文化交流センターで、新作映画「妻よ薔薇のように 家族はつらいよ3」(5月25日公開)の特別先行上映会に出席した。

 上映会を主催するのは、地元有志による発足25年の「山田会」。映画館のない同市の市民に、山田作品を見てもらいたいと続けてきた。熱い気持ちに応えるべく、山田監督は新作ができるたびに訪れ、今回で16回目の参加となった。

 上映後、約1000人の観客から大きな拍手を受けた山田監督は「(同作を)作り始めたころから日向での上映会はいつも心にありました。こんなに長い間上映会が続くのはないこと。僕は幸運だと思います」と感謝した。タイトルにちなんで贈られたバラの花束を手に、笑みを見せた。

 3世代が暮らす一家を舞台にしたシリーズ3作目は、長男の妻が家出したことで起こる騒動を描いた。終始笑いの絶えない反応に、山田監督は「皆さん丁寧に見て反応してくれる。大笑いしたりため息をついたりしてくれるのは、登場人物に愛情を持っているから。作り手としてこんなに手応えのある試写会はない。待っていてくれた人と一緒に見るのはとても楽しい」。

 会場に入る時も、前日3月31日にJR日向市駅に到着した時も「おかえりなさい」と迎えられた。山田監督は「皆さんの顔を見ると、次の作品でまたお会いしたいという思いに駆り立てられます」と、新作での訪問を約束した。【小林千穂】