静岡県西伊豆町の港で、俳優で歌手の加山雄三(80)が事実上のオーナーのプレジャーボート「光進丸」が炎上した火災は、2日午前8時25分ごろ、鎮圧状態となった。けが人はなかった。火が完全に消えるのを待って県警などが出火原因を調べる。

 加山は2日夜、羽田空港で記者会見し「多くのご心配とご迷惑を掛け、心からおわび申し上げる」と謝罪した。

 下田海上保安部や県警下田署によると、光進丸は安良里漁港から約20メートル沖に係留されており、付近に他の船はなかった。1日午後9時25分ごろ、「船が燃えている」と119番があった。地元の船舶修繕会社が管理していた。午後1時ごろ、この会社が船内のエアコンを点検していたが、異常はなかったという。

 加山によると、沖縄県宜野湾市で1日夜、コンサートの出演を終え、打ち上げの際に火災を知らされた。原因に心当たりはないという。自ら船の設計に携わったといい「あの船からたくさんの曲が生まれた。長い間の相棒がこんな形で消えていくのは本当につらい」とうつむいて話した。