アイドルグループ、ラストアイドルの派生ユニット、Love Cocchi(ラブコッチ)の中村守里(14)が、映画「書くが、まま」(上村奈帆監督、11月公開予定)で主演デビューする。主演はもちろん、映画現場も初めてだという中村に、撮影前の胸の内を聞いた。

 芸能界を目指したのは「人見知りだったので、ちゃんとしゃべれるようになりたかった」から。自分を変えるきっかけを求め、芸能スクールに通い始めた。そこで太田プロがスカウト。12歳の春だった。芸能界入りは、自分の夢でもあったが、別の理由もある。「小3でお父さんが亡くなって。お母さんが1人で育ててくれたので、少しでも力になれたらなと思いました」。

 同作では、自分の思いを書くことでしか表現できない中2の主人公、松木ひなのを演じる。不器用で真っすぐな14歳たちの青春ストーリーだが、まさに等身大で演じられる内容だ。主役の座は、オーディションで射とめた。その場で台本を渡されての即興演技だった。勝ち抜けたのは「ラストアイドル」でのバトルの経験が大きかったという。「また闘うのかと思っていましたけど、メンタル的に成長できたのかもしれません。大変でしたが、やってよかったです」と振り返った。

 今年7月にクランクインの予定。監督にも会い、すでに台本も読み込んだ。「人に流されず、自分らしく生きていくことが大切」というメッセージを読み取ったという。「見てくれた人にメッセージを伝え、見終わったら、これから頑張ろうと思ってもらえるように演じたいですね」。

 あどけない透明感を持ちながら、内に秘めた芯の強さを感じる。アイドルから女優へ。挑戦が始まる。【川田和博】