朝日放送テレビ(ABC)の阪神タイガースの野球中継などを担当していた平岩康佑アナウンサー(30)が15日付で同局を退社した。

 若者が熱狂する対戦型コンピューターゲーム「eスポーツ」の大会を実況するアナウンサーに転身する。局アナが「eスポーツキャスター」に転身するのは日本では初めて。平岩アナは「スポーツ実況で培ったプロの技術を生かし、大会を盛り上げたい」と意気込んでいる。

 海外では競技人口が1億人を超え、国際オリンピック委員会(IOC)が2024年パリ五輪での採用を検討するなど、「スポーツ競技」としても注目されている。大画面でプレーしている様子を観戦して楽しむエンターテインメント性も高まり、国内市場が急成長している。

 「小学校のときからテレビゲームが大好きだった」という平岩アナは「この盛り上がりにかかわることができなければ後悔する」。入社8年目に新たな挑戦を決意した。すでに東京都内に「eスポーツキャスター」に特化した事務所を設立。今後は専門アナの育成にも力を入れる。

 「わずか1秒の瞬間的な判断をしたり、心理的なかけひきがすごかったり、既存のスポーツに通じるところがある。たかがゲームではなく『これもスポーツ』と思ってもらえる実況をしたい」。新天地でプロの技を生かす。

 ◆平岩康佑(ひらいわ・こうすけ)1987年(昭62)9月2日、東京都生まれ。法政大卒。11年、朝日放送入社。アナウンサーとしてプロ野球、高校野球、サッカー、ゴルフなどの実況を担当。「おはようコールABC」の月曜日に出演。プロ野球は84試合、うち阪神戦を43試合実況。阪神実況での勝敗は阪神が22勝21敗と勝ち越し。独身。