元AKB48の女優渡辺麻友(24)がフジテレビ系、オトナの土ドラ「いつかこの雨がやむ日まで」(土曜午後11時40分)に主演している。昨年12月にAKB48を卒業後、初の連続ドラマ出演となる。

渡辺が演じる主人公・北園ひかりは15年前、11歳の時に兄の国彦(桐山漣)が恋人のミュージカル女優・麻美(三倉茉奈)を殺して殺人犯になったことから人生が一変した。故郷を去り、現在はキャバクラに勤めながら、ミュージカル女優になることを夢見ている。国彦の出所が決まり、ひかりは別れを告げるために刑務所の外で待ち受ける。そこで国彦は「俺は殺していない」と衝撃の告白をする。そしてまた、新たな事件が起こるラブサスペンス。

ひかりの所属する「劇団ウミヘビ」の主宰・天竺要を演じる吹越満(53)は、劇団というものについて「芝居の稽古って、意外なほど地味なんです。稽古自体は大変ですよ。1カ月から1カ月半かけて、ちょっとずつ作品を形にしていくので。きっとリアルな稽古の様子を1日、2日見ても、正直エンターテインメントにならないと思います。天竺のように劇団の座長で演出家になり、役者へのダメ出しに重みがあって、役者よりユニークな人もいます。ただ今回は、天竺のキャラクターや劇団だけで引っ張る話ではなく、料亭の場面、ひかりと母親の場面、さらに劇団の場面とそれぞれのシーンが調和し、作品の世界を作っていく。劇団のところも作品のトーンにしっかり合わせること、その上で天竺の演劇にかける思いのこもったストレートなセリフをいかに成立させるかに気をつけています」と話している。

22日放送の第7話では、演出家の天竺(吹越満)の「麻美を殺したのが俺だとしたらどうする?」の言葉に、ひかり(渡辺)の目に狂気が宿る。「だとしても私は天竺さんのもとでジュリエットを演じたい」と言い切る。

そんな中、兄の国彦(桐山)が歩道橋から転落し、意識不明で病院に運び込まれたと母・由布子(斉藤由貴)から連絡が入る。眠り続ける兄を前に思わず笑みを浮かべてしまうひかり。「ひかり…今、笑った?」母の問いかけに自分の中に芽生えた感情に気付き、ひかりは恐怖を感じる。

ひかりの中に芽生えた狂気を感じて、結ばれた幼なじみの谷川和也(堀井新太)は困惑する。そして、恋人の三上沙耶(筧美和子)から一枚のエコー写真を見せられる。「私、妊娠したの」。沙耶の突然の告白に和也は驚く。自分1人ででも育ててみせる、と告げる沙耶は和也を静かに見据え言う。「和也さんが決めて。私とこの子を取るか、それとも…あの人を取るか」。

そんな中、国彦の転落事故を通報したのが、15年前に死んだ麻美の姉・千尋(星野真里)だったことを、刑事の剛田仁志(木村祐一)は知る。なぜ千尋が国彦をかくまっていたのか、千尋と麻美の父で衆議院議員の矢吹洋一(京本政樹)はなぜ、15年前目撃者の少年の記憶を剛田に改ざんさせたのか。剛田はある推理を矢吹に突きつける。麻美を殺したのは姉の千尋ではないか、と。それを隠すために矢吹は担当刑事だった剛田を金で抱き込んだ。剛田の推理を聞いた矢吹は否定せず、あらためて剛田に言う。「捜査を辞めさせろ。金ならいくらでも出す」。