来年秋放送の次々期NHK連続テレビ小説の作品、ヒロインが3日、NHK大阪放送局発表が3日午前、NHK大阪放送局で行われ、女優戸田恵梨香(30)がヒロインに決まり、お披露目された。

タイトルは「スカーレット」。焼き物の里である滋賀県甲賀市信楽が舞台になる。昭和の高度経済成長期を懸命に生きる女性陶芸家を描き、その主人公を戸田が演じる。脚本は水橋文美江氏(54)が担当する。

白のドレスで登場した戸田は「断捨離」が出演の決めてとなったと明かした。

今年8月に30歳を迎え「物だけではなく、今までの考え方を含め、すべてにおいて」価値観を一新したという。自らを「いつも前進をしていたい。進化を続けたい。止まるのが怖いなという性格」と分析し、これまでは「立ち止まってしまうんじゃないかという恐怖心が強かった」。いろんな作品で、たくさんの役を演じることを心がけていたという。

だが、今回の朝ドラといえば、例年5月にスタートし、約10カ月も続く長丁場の収録で知られる。準備期間も含めれば、約1年という長期にわたり同じ人物に従事することになる。

断捨離に取り組む以前なら「未知の世界」だったという長期の撮影も「1年を通して1人の女性を演じるって、止まるということではなく、ものすごく大きな進化があるってこと。なんてぜいたくな時間なんだろうという考えになった」と気持ちの変化があったことを明かした。

16歳から本格的に芝居を始め、主演した大人気シリーズ「SPEC」(TBS系)が終わった24歳の時に「役者を始めて、第1章が終わったんだなと思った」。次のステップへ進むために「第2章に立つにはどうしたらいいんだろうと、自分に何が必要で何をするべきなのだろうか」という迷い、モヤモヤがあったという。

30歳なって断捨離を敢行したタイミングで、今作ヒロインのオファーを受け「自分の中に空間ができて、すっと心に入ってきた」。価値観も変わり「立ち止まってしまうんじゃないかという恐怖心が強かったが、それは立ち止まるということではなくて、深く進化をするっていうこと」と同役にも前向きになった。

オファー受諾の決め手には「心に背負っていた重いものがパッと解き放たれて、今すごく軽くなって心のゆとりができるようになった」と話した。

断捨離のキッカケを聞かれると、名前を明かさず「ある人」との出会いと回答。その人からは「どうしてそんなに迷っているんだ」「どうしてそんなに背負っているんだ」と言われ、自身の気持ちを「透視されている」ように悩みを見抜かれたと明かした。

さらに「もっとあなたは前に進めるはずだよね」と言葉をもらい「考えすぎてしまって、知らないうちに立ち止まってしまっていたんだ」ということに気づかされたという。

連続テレビ小説は「オードリー」(00年後期)でヒロイン大竹しのぶの幼少期を演じた経験がある。今作は緋(ひ)色がテーマで、陶芸で窯をたく炎のように熱く燃えるような情熱的なヒロインの人生が描かれる。

これまでにも「情熱」「愛情」といった熱い役柄が多かったと言い、「(テーマが)戸田恵梨香というゾーンの中に入ってくるイメージ像なんだなと改めて思った」。舞台となる信楽については「自然豊かな穏やかな町というイメージ」と話し、軸となる陶芸は「これから勉強して、いろんなものを知っていきたい」と意気込んだ。

制作統括の内田ゆきプロデューサーはタイトルの「スカーレット」を「情熱的で愛情のあふれる人格につながる」と説明。「自分1人のためでなくて誰かのためにこそ動ける女性」を描き「妻、母、自分より若い世代を育てる」という女性の人生ステージを作中で見せていくと説明する。

ヒロインに実在モデルはいないが、現在も信楽で活躍する神山清子(こうやまきよこ)さんを大きく参考にしており、取材に行き始めた時点で、ロインは「戸田がいい」との構想があったことも明らかにした。

戸田については「笑顔が大きい」と印象を話し「強さと繊細さを兼ね備えている人」と表現した。また、ヒロインの女性陶芸家は「美しくは仕事できないようなところがある」といい、仕事面や私生活において「試練を与えるようなストーリーを考えたい」と話した。

今後、ヒロインを取り巻く主要キャストの発表などを経て、来年4月にクランクインの予定。同9月30日から半年間、放送される。