西野カナ(29)が3日、無期限活動休止前の最後のライブを横浜アリーナで行った。

この日のライブは全国47都道府県や過去にライブを行った香港、台湾など計98カ所に生中継され、多くのファンが見守った。

冒頭、総勢42人のマーチングバンドが花道を行進後、西野が中央に設けられた円形ステージに姿を見せた。しみじみと会場を見渡した後「今日は最高の思い出を作りましょう」と笑顔で呼び掛けた。

10周年を締めくくる特別公演も兼ね、この日までの3日間で計4万2000人を動員した。「トリセツ」「会いたくて 会いたくて」「Darling」などヒット曲を中心に構成。さらに洋楽カバーやウクレレ演奏も披露した。

10~20代のファッションリーダーらしく、衣装は10パターン。次々と華麗に変身した。これまで通り、西野がコンセプトを考案。ファッションでも観客を楽しませた。

発表した楽曲は175曲。リアルな恋愛観をつづる歌詞が共感を呼び、ダウンロード総数は5500万以上に及ぶ。これまでに211公演を行い、約114万人を動員した。この日のライブを持ってオフに入り、今後公の場に出ることはない。活動休止発表時に「期限を決めずにいろいろと挑戦したい」とし「またいつか皆さんの前で歌える日が来るまで、日常の中で音楽を楽しみたい」と、将来的な復帰も示唆している。

ライブは約2時間半。2回目のアンコールを終えて、活動を振り返るサプライズ映像が流れると、何度も涙をぬぐった。「これからお休みするけど、みんなとまた会える日を励みに、いろいろと挑戦していきたいと思っています。皆さん、また笑顔で会いましょう。みんな、またね。ありがとう」。平成の歌姫は平成の終わりとともに、笑顔でいったんマイクを置いた。

西野は「平成生まれの日本人女性ソロ歌手」として、いくつもの記録を打ち立てた。

▼NHK紅白歌合戦最多出場 昨年までに9年連続9回出場。

▼初のレコード大賞 16年「あなたの好きなところ」で大賞受賞。

▼初の単独ドーム公演 17年夏に京セラドーム2公演、東京ドーム2公演をそれぞれ開催。

▼オリコン週間アルバムランキング記録 6作品が1位を獲得し、アルバム1位獲得作品数歴代1位。昨年11月に同ランキング初の2度目の1、2位を独占。

◆西野(にしの)カナ 1989年(平元)3月18日、三重県生まれ。08年シングル「I」でデビュー。10年アルバム「to LOVE」は売り上げ95万枚以上の大ヒット。「Best Friend」「会いたくて 会いたくて」「Darling」などヒット曲多数。「会いたくて-」は500万ダウンロード以上のヒット。16年「日本レコード大賞」大賞受賞。ライブ総動員数は計211公演で約114万人。楽曲ダウンロード総数は5500万以上。愛称「カナやん」。血液型A。