NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」(日曜午後8時)の平均視聴率の低空飛行が続いていますが、どうしたら浮上できるのでしょうか。

視聴率が1桁になるほど低迷したということは、根強い大河ファンも離れてしまったということ。大河ファンは歴史好きで比較的年齢層が高い人が多いといわれています。そうした視聴者が「分かりにくい」「ついていけない」と判断し、1度離れると、戻ってくるのは難しいと思われます。

そうなると、もう少し若い視聴者層に期待を寄せ、ターゲットとしてアピールするのも1つの手かもしれません。NHKも先日、24日午後8時44分から「いだてん 楽屋トーク」と題して、ドラマの小ネタや舞台裏のエピソードを出演者が語り合うライブストリーミングを番組公式ホームページと番組公式ツイッターで実施すると発表しました。この効果が、どの程度あるか分かりませんが、ネットを使いこなす若い視聴者層を取り込み、徐々に世代の幅を広げていくことは必要かと思います。

最近の同作の内容は、序盤と比べ、笑いと感動をうまく盛り込んだ内容となっています。周囲の若い世代からは「大河ドラマと思って見なければ面白い」という声も聞きます。初回や第2話などで、こうした作り方をしてスタートしていれば、今の数字は違っていたかもしれません。

今後、この作品が、今は比較的分かりやすく、結構、笑えて面白いという評判が世に知れ渡れば、徐々に数字は上向きになるかもしれません。若い世代から30代、40代、50代の心を揺り動かすNHKの策を期待したいです。個人的には、毎回、くすっと笑える白石加代子の登場シーンが楽しみでなりません。世代を問わず受け入れられるはず。こうしたシーンの多用が数字浮上のカギになるかもしれません。【中野由喜】