英女優エマ・トンプソン(59)が、声での出演が決まっていたアニメ映画「ラック」からセクハラへの抗議を理由に降板したことが明らかになった。

同作を製作しているのはかつてディズニー・アニメーションとピクサーでチーフクリエーティブオフィサーを務めたジョン・ラセター氏がアニメ部門のトップに就任した制作会社スカイダンス・プロダクションで、女性へのセクハラ行為を理由にディズニーを退職した同氏の表舞台復帰への抗議とみられている。

「トイ・ストーリー」など数々のヒット作を世に送り出したラセター氏は、2017年11月に女性社員に対するセクハラ行為が発覚して長期休職を経て昨年末にディズニー・アニメーションを退職していた。しかし、このほどのスカイダンスへの就任が発表されると、業界内からは批判の声が殺到。トンプソンは昨年、すでに数回の録音を済ませていたと言うが、ラセター氏が就任したことを受けて降板を決めたようだ。

スカイダンスは映画「ミッション:インポッシブル」や「スター・トレック」シリーズなどヒット作も手掛けており、今後もトンプソン同様に他の俳優たちがラセター氏の復帰に抗議をする可能性もある。「ラック」は幸運と不運の2つの対立する組織が存在する世界を描いた作品で、「カンフー・パンダ3」のアレッサンドロ・カルローニ監督がメガホンを取り、2021年公開を予定していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)