17年7月に死去した作曲家平尾昌晃さん(享年79)の三男で歌手の平尾勇気(37)が25日、都内で、昌晃さんの妻Mさんに対する「平尾昌晃音楽事務所」代表取締役職務停止の抗告について会見を開いた。

総額60億ともいわれる遺産相続問題で勇気は、Mさんに対して「取締役の職務執行停止」を求める仮処分申請をしていたが14日、東京地裁は却下した。勇気は16日にブログを更新し、東京高等裁判所に抗告する意志を告知していた。

会見では、この日までに2度の和解交渉があったことを明かした。この日、取材陣に「平尾勇気会見、および、抗告取止めに関して」「同意および確認書」の2通を配布した。24日には、和解成立に向けて兄弟も含め集まる予定だったが、仲介人から「決裂や」の連絡があったという。

「昨日までは和解するつもりでいました。感情的には許せないことだらけだけど、みなさんをお騒がせしてしまったことや、仲介に入っていただいた方に申し訳ないという気持ちが強かったです」と話した。またMさんに対しては「しっかり正してほしい。この問題の疑惑に対して、自分に否がないのであれば開示してほしい」と訴えた。

ブログで開示した新たな不正として、同席した鈴木公認会計士は「使途不明金が判明しました。4年間で2億円以上はどこにいったか分からない」と説明した。また、新たな口座の発覚などいくつかの疑惑を明かした。

すでに抗告の手続きに入っているが、「何より平尾昌晃の息子で生まれ、親身になって向き合ってくれる人もいます」とまだ和解する意志もあることも明かした。その一方で、長期戦も覚悟しているかの問いには「そのつもりです」とも答えた。