現地時間24日に米ロサンゼルスで開催された第91回アカデミー賞授賞式の視聴率が、オスカー史上最低だった昨年よりも12%ほど上昇したことが明らかになった。

放送するABCテレビは近年視聴率低下に悩まされており、人気映画部門の新設や中継時間の大幅短縮のため一部部門のCM中発表などさまざまな案を出していたが、いずれも批判を浴びて撤回していた。また、今年は司会に決まったコメディアンのケビン・ハートが過去の差別的なツイートが原因で降板して以降新たな司会者は見つからず、30年ぶりの司会者不在の授賞式となったが、逆に映画そのものにスポットライトを当てたシンプルな進行に好感が集まるという皮肉な結果となった。

テレビ中継は昨年より約40分ほど短縮することに成功し、視聴率も回復の兆しを見せたものの昨年に続く過去2番目の低さにとどまった。ちなみに過去最高の視聴者数だったのは、「タイタニック」が作品賞を受賞した1998年の5520万人で、今年の2960万人のおよそ倍近くだった。(ロサンゼルス=千歳香奈子)