名作アニメ映画をフルCGでリメイクした「ライオン・キング」(8月9日公開)のジャパンプレミアが22日、都内で開催され、ジョン・ファブロー監督と、賀来賢人、江口洋介、門山葉子ら吹き替え版のキャストが新しいライオン・キングの魅力をアピールした。

ファブロー監督は「アイアンマン」シリーズで知られ、「ジャングル・ブック」(2016年)では、実写のようなフルCGで世界を驚かせた。今回はさらに最先端のVR技術も取り入れた進化形の映像を実現。ディズニーは「実写もアニメも超えた新たな映像体験をお届けします」と自信をみせ、“超実写版”と名付けた。ファブロー監督は「サークルオブライフという言葉は、我々は自然の一部であることであること、次の世代に受け継がなければならないものがあることなどを示すテーマです。世界が狭くなっている2019年にみんながつながってほしいという思いをこめました」「最新の技術でアップデートしました。すべて本物にみえるかも知れませんが、すべてコンピューターでつくられています」と熱く話した。

主人公シンバを演じた賀来は「だんだん映像に入り込んで、シンバと一緒に成長し、応援したくなるような感じでした。今までに経験したことのない映像、作品です」、スカー役の江口は「動物の物語の中に人間社会のいろんなことがこめられているから、こんなに長く愛されているのだと思います」と指摘していた。

イベントでは、大抜てきされた19歳の新人女性アーティストRIRIが、日本版オフィシャルソング「サークル・オブ・ライフ」を熱唱した。

オリジナルの声優は、シンバをドナルド・グローヴァー、幼なじみのメスライオン・ナラをビヨンセが務めている。グラミー賞受賞者の2人が「愛を感じて」などおなじみの名曲の数々をどう歌い上げるのかも楽しみだ。

くしくも、7月23日はオリジナル映画が1994年に日本で初公開されてからちょうど25年。雄大な自然を舞台にしたライオンの王子の成長物語は、四半世紀にわたって映画、音楽、舞台ミュージカルなど、あらゆるジャンルで世界一を記録し続け、文字通り「キング・オブ・エンターテインメント」といえる。

<「ライオン・キング」アラカルト>

★映画、演劇、コンサートを含めたエンターテインメントとしての全興行収入は、世界歴代1位の62億ドル(約6820億円)に上る。

★映画の全世界の観客動員数はディズニー・アニメ史上1位。興収も「アナと雪の女王」(14年)と「トイ・ストーリー3」(10年)の登場までは1位で、現在も3位。

★エルトン・ジョンらが担当した楽曲は、第67回アカデミー賞で最優秀主題歌賞などを受賞し、サウンドトラックも全世界での売り上げでディズニー史上1位を記録している。

★米ブロードウエイで始まった舞台ミュージカル版は、「オペラ座の怪人」などを抜いて世界興収1位。日本でも劇団四季が20年を超える無期限ロングランを続けており、観客動員数(1200万人超)、通算上演回数(1万2000回超)ともに史上1位を更新している。