大麻取締法違反(所持)の罪に問われたKAT-TUNの元メンバー田口淳之介被告(33)と元女優小嶺麗奈被告(39)の公判が21日、東京地裁(長池健司裁判官)で行われ、いずれも懲役6月、執行猶予2年の判決が言い渡された。

当初7月30日に判決予定だったが検察側の請求で異例の延期となっていた。この日、関東信越厚生局麻薬取締部(通称マトリ)が捜索時の動画を一部メディアに提供していたことが原因だったことが明らかになった。

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田口被告は黒のスーツにネクタイ姿、小嶺被告は髪を後ろに束ね、ストライプの入った白シャツ、ダークグリーンのパンツ姿で入廷、神妙な表情で隣り合わせに座った。冒頭、判決公判の期日変更を請求し延期となった件について、検察から説明があった。判決直前、マトリから捜索状況を記録した動画を一部マスコミに提供したとの報告があったため、証拠能力の検証が行われていたと明かし、最終的に問題がなかったと主張した。

両被告の弁護人は証拠について争わない姿勢を見せる一方で、マトリの提供について「プライバシー権の侵害」と非難。判決公判が約3カ月延期されたことなどを理由に、執行猶予の減刑などの情状を求めるやりとりがあった。その後、約10分の休憩を挟み2人は証言台に並んで立った。田口被告はファンや関係者に謝罪し「この3カ月で私の環境も変わり、支えてくださる皆さんと前に進んでいきたいと思います」とはっきりと神妙な口調で話した。

7月11日の前回公判で、06年ごろから付き合っていた2人は今後も、ともに交際継続するとの意思を明らかにし、小嶺被告は「結婚したい」とも述べた。この日、小嶺被告は「私自身強くなり、一歩ずつ前進して生きていきたいと思います」と誓った。その後、長池裁判官は判決を言い渡し、理由について「大麻の入手先を捜査機関に供述して関係を絶った」などと指摘。「起訴事実を認めて反省の情を示し、更生の可能性がある」とした。

2人は判決を言い渡された際、裁判官を見つめながら聞き入った。田口被告は退廷時、傍聴席に向かって深々と頭を下げ一礼した。田口被告は公判後「事件で失ったたくさんの方々の信頼を一日でも早く取り戻せるよう、精進する」などとコメントを出した。判決によると、2人は5月22日、同居していた東京都世田谷区のマンションで乾燥大麻約2・2グラムを所持した。【上岡豊】