元宝塚歌劇団星組トップ娘役の妃海風(ひなみ・ふう=31)が、地元大阪で公演予定だった6月27日にトーク・ライブ「妃海風の歌って!喋って!」を生配信する。同日は、2回目のセルフプロデュースライブ「Majic of jazz2」を上演予定だった。今回の生配信は約1時間。楽曲はピアノ演奏にあわせて5~6曲、エクササイズやトークのコーナーもある。ファンコミュニティーアプリ「fanicon」を通じて開催し、チケット代金は2940円。妃海に生配信への思いを聞いた。

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妃海 当初は生配信を考えていなかったのですが、自粛期間中に、私自身が生配信で元気をもらって。エクササイズ系とか、ご飯食べて乾杯! とか。いろんな映像を見て「生で時間を共有するっていいな」って。じゃあ、ビルボード(大阪で)でライブをやる予定だった日に、やってみようかと思い始めました。

最終的に背を押したのは、先輩の元星組トップ柚希礼音が呼びかけた「青い星の上で」リモート合唱に参加したことだった。

妃海 チエさん(柚希)の発するパワーにすごく感銘を受けて! すごいな! って。私も星組生だったので、あらためて。だったら「中止だ…」ってガッカリするだけじゃなくて、皆さんに、元気になれることを発信できないかって。

もともと、インスタライブは2週に1回のペースで開いていた。今回の生配信は約1時間の予定。

妃海 歌は5~6曲ぐらい、生ピアノ演奏にあわせて。エクササイズもやってみたい。ライブ会場だと一緒に-は難しいんですけど、今回は皆さんおうちで部屋着でしょう。私が例えば(松田)聖子ちゃんの私の好きな曲にあわせ、私なりに考えたアイドルっぽい振り付けを一緒に踊るとか。

宝塚時代から歌、ダンス、芝居とも長じた娘役だったが、大阪出身らしくトークも達者だった。

妃海 合間にトークで近況報告も。やりたいことがいっぱい。1時間はあっという間だと思います。この一瞬だけでも、楽しい気持ちになってもらえるようにしたい。心が救われたって言ってもらえるような、そんな思いを届けたい。

緊急事態宣言も解除され、徐々に日常は戻りつつあるが…。

妃海 でも、正直まだ、じゃ外食! ってならない。同期とはほぼ毎日、テレビ電話で話していて、普段の生活のときより、絆が深まったみたいです。「あの調味料めちゃいいよ」とか「このアプリ使いやすい」とか、情報共有して。今すぐやってみようってなる。

宝塚歌劇団も過去に例のない休止期間が続く。

妃海 現役もOGも「しんどい」「不安」…状況は同じ。気軽に相談できる仲間がいてよかった。(時間的な余裕ができ)優しさを持って接することができるようになったような気も。

それでも、生でのライブへの思いは強い。

妃海 舞台で同じ時間を共有し、共鳴して…。一刻も早くその時がきてほしいとは思います。ただ、当たり前が当たり前でなくなって、新しい「普通」が訪れる。「普通」の基準も変わっていく。今がその瞬間。一番しんどい時期だと思う。だからこそ、私は、少しでも皆さんが笑顔になれることを届けていきたい。【村上久美子】