フジテレビは31日、出演者のプロレスラー木村花さん(享年22)が死去して打ち切られた恋愛リアリティーショー「TERRACE HOUSE TOKYO」についての検証結果をホームページで報告した。

第38話では、木村さんがプロレスのコスチュームを誤って洗濯されたことについて、ダイニングルームでの話し合いの場で、男性共演者のかぶっていた防止を手に取って投げ、抗議するシーンがあった。これが「暴力的だ」として、木村さんを批判するコメントがSNSに多数投稿された。木村さんは、これらの誹謗(ひぼう)中傷に悩んでいたという。

第38話が収録された今年1月21日当日の音声データが11時間近くにわたって記録されていた。木村さんは「いきなり怒ってるわけじゃない」「ずっと我慢してきたけど、これだけは許せない」「仕事道具をこういうふうにされたのだけは本当に私のことを怒らせた。怒らないもん、人にここまで」「帽子ふざけやがってと思って帽子にもイラついた」などと強い怒りを感じていたという。

フジテレビでは「木村さんにとっては、正当な理由があって悲しみと怒りの気持ちを伝え、礼儀と誠実さを求めただけの行為が、多くの人からの批判の的となり、しかも暴力的であると決めつけられたことは、予想外であり、非常に驚かれ、ショックを受けたのではないでしょうか」としている。

そして、フジテレビとしても「この行為について、多くの批判が寄せられることは予見できなかった。出演者のさまざまな気持ちを受け止めつつも、強く衝突することが予測されるような場面では、より適切な提案、アドバイスが必要だったのではないかと考えております」としている。

木村さんは2月15日の収録時に、一時的に過呼吸のような状態に陥っていた。この時は、撮影を中止して回復を待ったという。また、3月31日に木村さんのSNSが炎上して以降は、スタッフが木村さんとさまざまなコミュニケーションを図っていたとしている。

今回、外部の人間による、第三者委員会を設置せずに、社内の人間を中心に検証を行ったことには「この検証の目的は、事実関係の調査とそれを踏まえた今後の番組制作への提言と考えています。これを踏まえ、今回の検証調査は、社内の責任者らを中心とした内部調査に、複数の法律事務所の弁護士らに参加を依頼し、また、精神科専門医、SNS対応の専門家の協力を得て行いました。本件で、出演者が亡くなられたことの重大性は明らかで、これを厳粛に受け止めております。慎重な調査を踏まえ客観的視点から調査を行うべきと考えております。しかし、事実調査について、これを詳細かつ迅速に進めるためには、外部の独立委員のみの第三者委員会では、調査対象である番組関係者等が、発言を控えたりする懸念があり、積極的な証言を促すためにはむしろ、番組制作の事情に通じた社内の責任者らを中心とした内部調査が望ましいと考えました」と説明している。