乃木坂46の秋元真夏(27)が、グループの2代目キャプテンに就任して1周年を迎えた。加入当初は厳しい環境に置かれもしたが、持ち前のガッツでメンバーたちとの距離を縮めていった。日刊スポーツ本紙で掲載中の結成10年目突入記念連載ではトップバッターも務めた。

「芸能界」への熱い思いが、秋元を突き動かしてきた。小さい頃からアナウンサーに憧れていたが、両親からは芸能界入りを反対されていた。高校3年生だった11年8月、乃木坂46の1期生オーディションに合格した。

「芸能界にめちゃめちゃ入りたいと思って、憧れが強くても、結局芸能界に入らないことも多いと思っていて。芸能界で活躍している方って、スカウトされて、とか、もともと入る気がなかった、って人が多い気がするんです。だから、ひそかに小さい頃から憧れていた芸能界に入れたのは、びっくりでした」

だが、通っていた高校から芸能活動の許可がおりず、家族からの要望もあり、直後から学業のため休業した。大学入学後、12年10月に乃木坂46に復帰し、同時に4枚目シングル「制服のマネキン」でいきなり初選抜入りを果たした。話題性はあったが、賛否両論も巻き起こった。まだ乃木坂46の知名度も低い時期。他のメンバーからも、すぐには受け入れられなかった。

「最初の1年休んでいた人がいきなりぽつっと選抜に入ったので、なじむのには時間がかかりました。テンション感の違いとか、追いつけてない雰囲気で。最初は苦労もしましたね」

それでも、「辞めるという選択肢はなかったです」と断言する。持ち前のハートの強さはもちろんだが、シンプルな思考が原動力だった。「やっとつかんだ芸能界のチャンス。これを逃したら、次どうなるかわからない。自分がやりたいことは、突き通さないと」と当時の心境を語る。「両親はもともと反対していたんで、過酷な状況なら、私が諦めると思っていたみたいですね」と笑う。

「やるしかない、って道が絞られていたから、辞めないんだったらなじむしかないと思って。『続ける』1択だったので。突き進むしかないと思って」

少しずつ、メンバーとの距離を縮めていった。「慎重でした。グイグイとはいけないので、1歩1歩、みんなの様子を見ながら」。握手会での「神対応」も話題となり、ファンからも受け入れられた。地道に人気を獲得し、実績を重ねていった。仲のいいメンバーも増えていき、ポジションを確立。グループきっての愛されキャラとなり、中心メンバーの1人に。そして昨年9月、同期の桜井玲香(26)から引き継ぎ、2代目キャプテンに就任した。

「もともと、頑固なんですよね。0か100か、みたいなところがあって」

芸能界への憧れと、強く固い意志。秋元が折れずに結成10年目まで活動を続けたことは、乃木坂46大ブレークの要因の1つだろう。【横山慧】